運び屋
午後のロードショー大好きなパート主婦です。
今回は午後ロー11月18日放送運び屋の感想です。
公開 2018年
監督 クリント・イーストウッド
公開当時 クリント・イーストウッド88歳 ブラッドリー・クーパー43歳 アンディ・ガルシア62歳 ローレンス・フィッシュバーン57歳
流れるような展開で一気に見てしまいました。88歳になっても衰えないクリント・イーストウッドの監督としての手腕を感じます。
かつて百合の栽培で園芸会にその名を馳せたアール。だが90歳になった現在は商売に失敗し自宅も差し押さえられ、家族とも疎遠になっていた。
事業に失敗し、身一つになってしまった彼に、「車を走らせるだけで大金が稼げる仕事」を持ち掛ける男が現れる。
それはメキシコの麻薬組織のドラッグを指定の場所に運ぶ仕事だった。
当時88歳のクリント・イーストウッドは、枯れ枝のようにもろく壊れそうな体、苦しそうな肩呼吸、細く震える声など見ている方が心配になるほど弱々しいのですが、眼光は鋭く、顔のシワには彼の人生が刻まれているのです。
高齢であり人生で一度も交通違反を犯したことが無いアールは、麻薬組織にとって運び屋として警察の目を欺くのに格好の人材だった。
首尾よくドラッグを運び、麻薬組織からの高額の報酬を手にするアール。
当初は一度だけと決めていたものの、大金の誘惑に負け、新車を買い替えたり、差し押さえになった家を買い戻したりと麻薬組織の思うつぼにハマってしまう。
いくつになっても家族や友人に羽振りの良い所をみせて優越感に浸りたいという気持ちは変わらないのですね。
この傾向は主に男性によくみられるのではないでしょうか。
アールは、麻薬組織の監視下にあるにもかかわらず勝手に寄り道をしたり、モーテルに泊まってコールガールを呼んだりと、緊迫した状況にも関わらずどこか飄々としておりマイペースなのです。
退役軍人のためか肝が据わっており、チンピラ相手にも少しも臆さず、「こんな若造の言う事を聞いてたまるか!」という意地が感じられます。
運び屋の回数を重ねる毎に報酬も増えていく。
すっかり味をしめたアールは、運んでいる荷物がドラッグど知りながら運び屋を続ける。
ドライブの途中、警察に職務質問されるも亀の甲より年の功、老獪さを発揮し見事に切り抜けるアール。
当初は自由奔放なアールを大目に見ていた麻薬組織は「ルールを無視したら、命はねえぞ!」
相手は平均寿命をとうに過ぎた90歳にもなる老人だというのに、よく考えたら滑稽なセリフですよね。
アールは園芸家としての仕事に夢中で、家族と共に過ごすことが少なかった。
ドラッグを運ぶ途中、アールは孫から妻メアリーが危篤状態という知らせを受ける。
アールは麻薬組織の絶対服従ルールに背き、妻の元へ…
「家族に愛されるのにお金はいらないのよ」「あなたはいつも悩みのタネ。でも傍にいてくれるだけで幸せ」
アールは妻に「昨日より今日、もっと愛している。でも明日ほどじゃない」素敵な言葉ですね。
メアリーはそっと息を引き取る。
ルールを破り、妻の葬式に出席したアールに対し、麻薬組織は制裁を加えようと詰め寄る。
90歳の枯れ枝のようにもろく壊れやすいアールを容赦なく小突き回すチンピラたち。
このシーンは思わず「やめてあげて~!」と叫びそうになってしまいました。
結局、ドラッグを運んだ罪で麻薬取締局に逮捕されるアール。
90歳にもなる男が運び屋の疑いで逮捕される …
アールを逮捕したベイツ捜査官はアールを責めることなく「体に気を付けて…」
娘や孫との絆は取り戻せたものの、罪を認め、刑務所に収監されるアール。
このまま、刑務所が彼の終の棲家になるのでしょうね。娘アイリス役でイーストウッドの実の娘アリソン・イーストウッドも出演しています。
最晩年になって麻薬組織に加担し、刑務所に収監される哀れな老人…
これがフジテレビの「ザ・ノンフィクション」だったりしたら、いかにもみじめなダメ人間のお話、となるのでしょうが、クリント・イーストウッドが演じるとどこかかっこよく、男の美学に見えてしまうから不思議ですね。
アールは90歳にもかかわらずコールガールと遊んだり、若い頃やんちゃした感がにじみでていますね。
思い出に浸りつつ余生を過ごす老人の役ではなく、人生を謳歌し攻めの姿勢を貫くアールはどこか色気のある魅力的なキャラクターです。
彼は自らが監督、主演を務める事が多いのですが、今作では脇にブラッドリー・クーパーなどの華のある俳優を据えたりと、観客目線で客観的な映画製作をしているのが伺えます。
クリント・イーストウッドの映画は午後ローでも度々放送されており、いつまでも現役感にこだわる痛いおじいちゃんのイメージがあったのですが「ミリオンダラー・ベイビー」あたりから自らの老いを受け入れ、老いを逆手に取った演出が増えたように思います。
まさに今作も老人力を前面に出した、どこか「おかしみ」のあるキャラクターを演じています。
イーストウッドの吹き替えを担当した多田野曜平は、山田康夫の声に寄せていましたね。
イーストウッドの声は山田康夫!、という私のようなファンにとっては嬉しく、彼へのリスペクトを感じます。
彼は2018年にこの「運び屋」2021年に「クライ・マッチョ」と立て続けに監督、主演を務めており、驚異的なバイタリティーと言えますね。
凡人では無いとはいえ彼の活躍を見ていると、中年の私が「年だから~」は言い訳に過ぎないと思ってしまうのです。
今日も無事に家に帰って午後ローを見れていることに感謝😑です。
総合評価☆☆☆☆☆
ストーリー★★★★
流し見許容度★
午後ロー親和性★
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