アイガー・サンクション
午後のロードショー大好きなパート主婦です。
今回は午後ロー4月9日放送のアイガー・サンクションの感想です。
公開 1975年
監督 クリント・イーストウッド
公開当時 クリント・イーストウッド44歳
表向きは大学教授、裏は政府の諜報機関に籍を置くジョナサン・ヘムロックは、諜報機関のボス「ドラゴン」の命令で、正体不明の標的が参加しているアイガー登山隊に加わり暗殺任務を遂行しようとする…
クリント・イーストウッド演じるヘムロックは、表向きは大学の美術教授であり登山家、裏の顔は諜報機関で数多くの暗殺を手掛けた凄腕の殺し屋なのです。
これはセガール映画でもよくある現象なのですが、全盛期を過ぎたアクション俳優はキャラクターの経歴を盛りすぎる傾向にあるのです。
ヘムロックは自ら教鞭をとる大学の女子大生からも熱い視線を注がれるモテモテの美術教授なのです。
この作品は間違いなく「007」シリーズを意識していますね。
硬派なクリント・イーストウッドが真っ向から軟派な色男を演じたのはこの作品くらいではないでしょうか。
女性諜報部員ジェマイマはさながらボンドガールといったところですね。
この時イーストウッドは44歳、劇中では35歳くらいの設定らしいのですが、後退した生え際や深くシワが刻まれた顔など、軟派な色男を演じるには少し無理がありますね。
謎の諜報機関のボス、ドラゴンから多額の報酬を条件に暗殺の仕事を請け負う事になるのですが、仕事にスマートさが無くほぼ運任せ力任せで計画性が感じられないのです。
ちなみにヘムロックはピサロの絵画の収集家なのですが、この設定も余計だったかもしれませんね。
諜報機関のボス、ドラゴンは体の色素が不足する疾患で、日光と外からのバイ菌に極めて弱く、彼と面会する者は感染対策を徹底的に行わねばならないのです。さらに年に1回全身の血液を交換しなければならないとか…
中途半端なアクション映画の場合、キャラを立たせるため脇役もこのような無理な設定を余儀なくされるのです。
前半はヘムロックの諜報部員としての活躍、後半はいよいよターゲットを暗殺するためのアイガー登山へ…
旧友のベンと共に難攻不落のアイガー北壁登山を前にトレーニングを行うのですが、007シリーズならカットされる部分ですね。
イーストウッドらしくリアリティを追求する、といった所でしょうか。
登山パーティの3人の内の誰かが目標とするターゲット… ヘムロックの任務は誰がターゲットか突き止め暗殺することなのですが、ここで見る者は「?」となるのです。
暗殺が目的なら危険な登山をしなくても、麓で準備している段階で処理すれば良いのではないでしょうか。ヘムロックの前半の活躍から見ればそのくらいたやすい事と思われるのです。が、しかしこの映画のタイトルは「アイガー・サンクション」アイガー北壁での殺人なので、登山しなければ話にならないのです。
登山の途中、仲間が次々と滑落や落石で命を落とし、ヘムロック自身も危ない所をベンに救出されるのです。
暗殺は成し遂げられたものの、明らかに不可抗力ですね。
ところがボスのドラゴンは「ターゲットが誰かわからないから全員殺したんだろう。君はやはり凄腕の殺し屋だよ…」などとヘムロックの仕事に対し極めて過大な評価をするのです。
この映画のオチはなんと、ターゲットは登山パーティの仲間では無く旧友のベンだった…。ヘムロックはドラゴンの命にそむいて彼を殺さず見逃すのです。
登山シーンはほぼスタント無しでイーストウッド本人が演じていたそうですね。
007のボンドと違って「俺はスタントは使わないぜ!」といった彼の意地の現れなのでしょうか。
複雑な設定にせず、「クリフハンガー」のような山岳バトルアクションに内容を絞ったほうが正解だったかもしれませんね。
無理やり主人公を諜報部員設定にしたのはイーストウッドも大方の俳優がそうであるように、ジェームス・ボンドに憧れがあったのでしょうか。
硬派な「ダーティハリー」では考えられない、プールサイドで水着のおねえちゃんの尻をガン見するイーストウッドを見れるのはこの作品くらいですね。
諜報活動と山岳アクション、どちらも中途半端で見る側の焦点をぼやけさせる作品と言わざるを得ません。
作り方を間違えたカルピスのように、ある部分は薄く、ある部分は濃すぎるような全体的にムラのある作品ですね。
今日も無事に家に帰って午後ローを見れていることに感謝😌です。
総合評価★★★★★
ストーリー ★
午後ロー親和性★★★★★
流し見許容度 ★★★★
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