LUCY /ルーシー
午後のロードショー大好きなパート主婦です。
今回は午後ロー7月24日放送LUCY /ルーシーの感想です。(ネタバレあります)
公開 2014年
監督 リュック・ベッソン
公開当時 スカーレット・ヨハンソン29歳 モーガン・フリーマン76歳 チェ・ミンシク51歳
先の読めない展開とスピード感で、最後まであっという間に見てしまいました。89分という短さも緊張感を途切れさせません。
冒頭の320万年前の猿人類、ルーシーの映像が見事ラストに繋がっていましたね。
付き合い始めたばかりの男リチャードの代わりに怪しげなスーツケースを韓国人マフィアのチャンに届ける羽目に陥ってしまったルーシー。未知のドラッグ「CPH4」を密輸のため体内に埋め込まれるが、ドラッグのパックが体内で破裂し、CPH4が体内で吸収された事により脳の潜在意識が目覚め、人知を超えた超人的な能力を持つことになる…
ごく普通の女性ルーシーは、リチャードの策略で、謎のスーツケースを韓国人マフィアに届けた事から、ある意味「悲劇的」な運命を辿ることになるのです。
序盤のルーシーがマフィアの男たちに捕まり、得体の知れない薬物を体内に埋め込まれるまでの展開は、意図せず犯罪に巻き込まれてしまった女性の恐怖をガッツリと共感することができます。
言葉の通じない韓国マフィアとチェ・ミンシク演じる返り血を浴びたマフィアのボス… 彼女にとっては悪夢でしかありませんね。
マフィアのボスを演じたチェ・ミンシクはさすがの貫禄、韓国ノワール映画の世界観をそのまま背負ってきたかのような迫力がありますね。
暗く湿った韓国ノワール映画とリュック・ベッソンのヨーロッパ映画的な世界観がミックスされ、良い味を出しています。
スカーレット・ヨハンソンは「アベンジャーズ」のブラックウィドーや「攻殻機動隊」の草薙素子などの超人的な女性の役を演じる事が多いですね。
小柄で華奢ながら、彼女の持つ顔の圧、顔力が超人的なパワーに説得力を与えていると思うのです。
無表情で焦点の合わない視線、彼女がもはや人間ではない何かに変身してしまった状態をうまく表現していますね。
美しく華奢な女性が、マフィアの男たちをバシバシ投げ飛ばす様は小気味よく、どこか二次元的でもあります。
リュック・ベッソンは間違いなく「AKIRA」のような日本のSFアニメの影響を受けていますね。
徐々に人間味を失い、意識が神の領域に近付いていくルーシーは「攻殻機動隊」に登場する「人形使い」を彷彿とさせます。
未知の薬物を摂取したことにより、超人的な能力を得るという映画といえば「リミットレス」がありますね。
ブラッドリー・クーパー演じる主人公が人間の能力を最大限に引き出す薬物「NZT-48」と出会った事により欲望の階段を昇り詰めていくストーリーなのですが、この「ルーシー」はそれをはるかに超越していますね。
人間は脳の機能を10パーセントしか使っていないとは良く言われることですね。
この映画ではルーシーの脳が覚醒していく過程を段階で見せていくのです。
初期段階では自らの思考と感覚、肉体のコントロールに留まるのですが、覚醒が進むと共に、他者の思考や通信機器にまでアクセスできるようになり、自分以外のものを自在に操れるようになるのです。
科学的な根拠はともかく、映画としては面白い展開ですね。
覚醒が100%に達したルーシーの思考はもはや人知を超えた領域にまで達してしまうのです。
意識が宇宙へと飛び、何万年前の人類の起源にまで脳がアクセスする映像はまさにスコーン‼と突き抜けるようなタガがはずれたような爽快感がありました。
ルーシーはその力を悪用することもできたのに、マフィアから薬物を奪い制裁を加え、さらに人類学者に自らの進化の過程を研究材料として諾すのです。
彼女の中の本来備わっている善の部分がそうさせたのでしょうか。力を与えられたのが彼氏のリチャードだったら違う展開になっていたかもしれませんね。
「私はあらゆるところに存在する」… 存在そのものは無くてもネットの海に浮遊しあらゆるものを支配しコントロールする、まさに現代の神のような存在になったのではないでしょうか。
ところで強い女性は、戦闘モードになると必ずクリスチャン・ルブタンのハイヒールを履くのですね。
私が思うにこの映画の隠れた教訓は、「たとえ遊びでもクズ男とは付き合うな」かもしれませんね。
今日も無事に家に帰って午後ローを見れていることに感謝😌です。
総合評価★★★★★
ストーリー ★★★★★
午後ロー親和性 ★★
流し見許容度 ★
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