キリングゲーム
午後のロードショー大好きなパート主婦です。
今回は午後ロー10月28日放送キリングゲームの感想です。
公開 2013年
監督 マーク・スティーブン・ジョンソン
公開当時 ロバート・デニーロ70歳 ジョン・トラボルタ59歳
やってやり返されての暴力の応酬で、痛々しいシーンの連続です。
ボスニア紛争に参加した元軍人のベンジャミン・フォード。現在は山奥で家族にも会わず一人隠遁生活を送っている。
車の故障を直してもらった事がきっかけでエミール・コヴァチと意気投合する。自宅に招き入れ酒を飲みかわし、翌朝、コヴァチと共に鹿狩りへと繰り出すことになった。
狩りに興じる二人だったが、なんと突然、コヴァチの放つ弓矢がフォードを襲う。
なんとコヴァチは18年前のボスニア戦争でフォードに撃たれ重傷を負った事を恨み、彼に復讐を果たしに来たのだった。
復讐の鬼となったコヴァチは、フォードの足にロープを貫通させて逆さに吊るし「告解しろ!」と強要するのです。
この場面は痛々しすぎて正視できず早送りしてしまいました。
なんとかコヴァチから逃れたフォードは、さすが元軍人、昔取った杵柄とでも言うべき恐ろしいほどのサバイバル能力を発揮し山中を逃げ回る。
「よし、受けて立ってやる!」コヴァチからの宣戦布告に応じるのです。
カラパチア山脈の密林で、男同士の壮絶な殺し合いが始まる。
そこからは、やってやり返されての暴力の応酬…
コヴァチの一瞬のスキをついて放ったフォードの矢が、コヴァチの両頬を貫通する。
場面は変わり、顔から血を流しベットに縛り付けられているコヴァチ。
フォードはその傍で大量のレモンを絞り、さらにレモン汁に大量の食塩を投入。
半笑いで「レモネードは好きか?」
フォードはコヴァチの顔に食塩入りレモン汁をぶっかける。
悲鳴を上げるコヴァチ…
結局フォードとコヴァチ、どっちもどっちですね。
デニーロ演じる退役軍人フォードは、戦争の古傷から家族と離れて暮らす物静かな男であり、さらにドSでもある…
このレモン汁拷問のシーンでフォードのキャラクターの輪郭がぼやけてしまいました。
高齢になってもやはりキレたら何をするかわからない男、デニーロを期待するファンへのサービスでしょうか。
このまま立場が逆転し、狙ったはずの獲物にコヴァチ自らが返り討ちに合うサイコサスペンス、だったら見る者の意表をついた面白い作品だと思うのですが、再び形勢は逆転、再びやってやり返されての繰り返しになるのです。
暴力の応酬の結果、ついにフォードはコヴァチの頭に銃を突きつけつける。
が、フォードは引き金を引かなかった。
そして戦争での自らの過ちをコヴァチに語り始める。
戦場で犯した罪の呵責から「家族の目を見る事ができなくなった。だから一人山奥で暮らすことにした…」
家族に恥ずべきことがあるとすれば、過去の罪よりも、人を縛り上げて傷口にレモン汁をぶっかける陰湿な拷問ができる人間という部分なのではないかと思うのですが…
互いに戦争で傷ついた者同士、最後は和解し、二人は静かに別れる……というオチで「ちょっと待ったらんかい!」となってしまうのです。
あれほどエグい拷問を加え合い、血で血を洗う殺し合いをした男二人が、いとも簡単に和解…
いわゆる、男同士の拳の会話ということなのでしょうか。
最終的に二人はラインの交換をしそうなほど解りあっているのです。
ありえない展開で違和感を感じずにいられません。
やはりジョン・トラボルタは普通の実直な男の役より、コヴァチのようなキレッキレのサイコな男の役が似合いますね。
特徴ある風貌といい、存在感でデニーロに引けをとっていません。
序盤のフォードと二人で酒を酌み交わすシーンでは、打ち解けて見える中にも時折みせるギラっとした視線は背筋が凍るものがあります。
午後ローでも時々デニーロの映画が放送されるのですが、私の中では平均点が低い印象です。
少なくとも60代に差し掛かってからの彼は、「ディア・ハンター」「タクシー・ドライバー」「レイジング・ブル」などの過去に出演した名作のパロディを演じているように見えるのです。
今作でも、所々で過去の作品を思い起こさせるような場面があります。
見る者に過去作の予習を強いる、傲慢かつ一流の俳優なのですね。
今作も、ジョン・トラボルタ演じるサイコな男に逆恨みされ、やむなく応戦する年老いた退役軍人というだけでは無く、一筋縄ではいかないキレると何をするかわからない男というキャラクターになっています。
やはり、ひたすらディフェンスに回るだけではデニーロファンは納得しないのでしょうか。
85分と短いので一気には見れるものの、結局訴えたいのは反戦なのか因果応報なのか、テーマが伝わりにくいと言えます。
やってやり返されての暴力の応酬は、ブラックコメディ風にしたほうが面白かったかもしれません。
今日も無事に家に帰って午後ローを見れていることに感謝😌です。
総合評価☆☆☆☆☆
ストーリー★
流し見許容度★★★
午後ロー親和性★★★★
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