サブウェイ１２３　激突

2022年5月19日2023年4月2日

午後のロードショー大好きなパート主婦です。
今回は午後ロー５月１７日放送のサブウェイ１２３激突の感想です。

公開　２００９年
監督　トニー・スコット
公開当時　デンゼル・ワシントン５４歳　ジョン・トラボルタ５５歳

デンゼル・ワシントン演じるガーバーとジョン・トラボルタ演じるライダーの会話劇といっても良いかもしれません。
二人の交渉での掛け合いはウィットに富んでいて見る者を飽きさせません。

ニューヨークの地下鉄でハイジャック事件が発生する。主任管制官のカーバーは犯人のリーダーと交渉を繰り返し、人質を守ろうとするが、犯人にはハイジャックで終わらない別の目的があった…

よくあるハイジャックものなのですが、ジョン・トラボルタのクセとサイコ感がストーリーを引っ張っていたと言えるかもしれません。
やはり彼は先日午後ローで放送された「ドメスティック・フィアー」などの優しいお父さん役より、ぶっ飛んだサイコパスの役が断然似合っていますね。

デンゼル・ワシントン演じるガーバーは、過去に収賄の罪を犯したものの、現在は運行指令室で真面目に働く妻思いの勤め人、「朝、靴下を履いた時には、こんなこと想像もしなかったろう」とライダーが言うように、ごく普通の日常を送っていたのです。

突然ハイジャック犯のライダーに交渉係に指名され戸惑うガーバーなのですが、意図せずハイジャック事件に巻き込まれてしまった平凡な男の心理状態を共感することができます。

ライダーはガーバーに、自らの過去の罪の告白と引き換えに、交渉を進めるのです。これは「羊たちの沈黙」のレクター博士のようですね。彼もクラリスの告解と引き換えに犯人の手がかりを教えていましたが…

ライダーは元ウォール街の証券マンであり、ニューヨークの地下鉄でハイジャック事件を起こし、ニューヨーク証券市場を混乱させようと画策していたのです。
最終的な目的は、金というより、ニューヨークに対する復讐といったところでしょうか。
が、株価急落により金相場が上昇、金を高値で売り抜いた事を確認し、満面の笑み…。
最後まで金が目当てだったのか、復讐が目的だったのかあやふやな部分があり、この辺をもっとはっきりさせたほうがストーリーにキレが出たかもしれません。最後はあまりに逃亡計画がずさんですね。FBIに完全に包囲されているニューヨークの街中をタクシーと徒歩で逃走…

徒歩でマンハッタンブリッジを渡っていたところを、あっけなくガーバーに見つかってしまうのです。
ライダーの計画は最初から運任せ、死ぬ覚悟を決めていたと言っても良いかもしれません。

ラスト、銃殺される前ガーバーに「あんたは俺のヒーローだ」
ライダーの言葉で度々「体は神からの借り物」という言葉が出てくるのですが、ガーバーも推測していたように彼はカトリックであり、ガーバーにキリスト教の美徳である自己犠牲の精神を見たのでしょうか。

ハイジャック犯の行き当たりばったりな行動、ＦＢＩの無能さ、一番気の毒なのは人質になったニューヨーク市民ですね。

この映画のデンゼル・ワシントンは、いつもと違いどちらかと言えばショボくれたオヤジ役、風貌はあの大家族の父ビックダディを彷彿とさせます。

それにしても、アメリカ人の男性というのは、肛門を指す言葉「ケ〇の穴」になぜこれほど激しく反応するのでしょうか。午後ローでも度々登場する「俺のケ〇の穴でも舐めろ！」などの表現なのですが、これを言われた登場人物は必ずと言ってよいほど顔色を変え「…今、なんて言った？」となるのです。
アメリカでトイレのウオシュレットがさほど普及しなかったのは、アメリカ人の男性が事程左様に「ケ〇の穴」に対して過敏になっているから、という話を聞いたことがあります。
国によって地雷ワードというのは違うのですね。