ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!

公開 2017年
監督 スティーブン・クオーレ
公開当時 J・K・シモンズ(62歳) シルヴィア・フークス(34歳)
華も無ければ知名度も無い俳優らによる「地味なエクスペンダブル」のような作品です。
序盤は派手なチーム戦が繰り広げられるものの、後半に進むにつれ失速していくダメなB級アクション映画のお手本のような作品と言えます。
主要メンバー5人合わせても、上官役のJ・K・シモンズ一人の存在感にすら負けており、この手のシンプルなおバカアクション映画において、役者のキャラ立ちがいかに重要か再認識させられてしまいます。

1995年サラエボ。
マットらネイビシールズのメンバーは、セルビア軍の陣営に侵入し、敵軍幹部を拉致する作戦を遂行。
敵に見つかり襲撃された彼らは、苦肉の策で敵の戦車を強奪し脱出する。
マット隊長率いるネイビーシールズのマンバーは、駐留先のサラエボでララという女性に出会い、湖の底にナチスが隠した金塊が眠っているという情報を入手する…
序盤は、チームワークで敵軍の将軍を拉致し脱走する展開がスピーディに展開し、銃撃戦、爆発、戦車など製作費がそこそこかかっている印象です。
上官のレヴィン少佐は「何をしでかしたかわかっているのか!」
「お前らの任務は痕跡を一切残さずに将軍を拉致する事だった。ところがどうだ! 戦車に乗ってサラエボ中を走り回り死体の山を築いた…」
「俺がうまく話をつけておく。あんまりハメをはずすんじゃないぞ!」
本来なら軍法会議にかけられて厳罰に処されてもおかしくない案件にも関わらず、少佐の寛大な事と言ったら…

地元のレストランで働くララ。
彼女はスタントンと恋人の関係にあった。
ララは祖父から伝え聞いたナチスが湖に隠した金塊の在り処を知っているとスタントンに告げる。
「ボスニア復興のための基金にしたいの。力を貸して」
ララの祖国に対する想いは強かった。
「この国の人たちの未来を作る手助けができる。極秘の演習だと思えばいい」
スタントンらはララと共に、金塊を引き上げ手に入れる作戦を練る。

海軍の隊員は皆「漢気があって気の良いヤツ」ばかりで、疑念を1ミリも抱かず惜しみなく備品やヘリを提供してくれるため、スタントンらの作戦は気持ち良いほどスムーズに進行するのです。
レヴィン少佐に呼び出されたスタントンら隊員。
将軍拉致作戦に関わったとしセルビア軍から狙われている事を理由に、36時間以内にアメリカに帰国するよう命じられる。
作戦はやむなく中止、帰国前に酒を酌み交わしている時、
「これだ…! この手があった!」
何故かビールの泡を見て、湖の中にエアポケットを作り長時間作業できる作業基地を作ることを思いつく。
「何すかこの作戦?」と思う間もなく、スタントンらは湖へと向かう。

ここから先は、スタントンら隊員とララが潜水服を着て、ひたすら湖底で金塊を運び出すシーンが続きます。
全員潜水服を着ているため誰が誰だかわからず、画面が暗いため何が行われているのか分かりずらい展開です。
敵陣営からの妨害を受けるも、スタントンらの安否を気遣ったレヴィン少佐が軍用ヘリが上空から敵を殲滅、隊員は無事27トンの金塊を手に入れ基地に生還。
それにしても、いくら軍用ヘリとは言え、27トンもの金塊を持ち上げる事などできるのでしょうか。
レヴィン少佐は「この間抜けども!」と一喝しながらも、強奪した金を換金し、1億5千万ドルを隊員とララに分け与える。
「これでめでたしめでたしだ! 解散!」
救出のためヘリを差し向けたり、隊員の不始末を処理したりと、神のごとき寛大さですね。

ララを演じたシルヴィア・フークスは「鑑定士と顔の無い依頼人」で主人公をペテンにかける詐欺師を演じた女優ですね。
悪女のイメージがあるせいか、最後まで敵か味方かわからない緊張感を醸し出しています。
J・K・シモンズは「セッション」のドSな指導者のイメージが軍指揮官のキャラにマッチしており、怖いけど実は気の良い頑固おやじを好演していました。
この二人の存在感が無ければ、もっとグダグダになっていた事は間違いありません。

思いのほかコメディ要素が強く、該当シーンにはここ笑う所ですよ~とばかりにバックに「ピョ~ン♪ ピョ~ン♪」とコミカルな効果音が流れる分かりやすい仕様になっています。
この手の頭を空っぽにして見る「ド派手にやろうぜ」系のアクション映画は、キャラ立ちさえあればストーリーなど二の次、「エクスペンダブルズ」がアクション映画として大正解だったのを痛感させられます。
chatGPT先生に「この映画の感想を書いてください」とお願いした所、
「この映画はポスターや予告編から期待されるような超スペクタクルアクション映画ではありません。何か特別な事が起こることを期待しないで見てください…」
AI対する信頼度がにわかに上がってしまいました。
今日も無事に家に帰って午後ローを見れていることに感謝😌です。
総合評価☆☆☆☆☆
ストーリー★
流し見許容度★★★★
午後ロー親和性★★★★★
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