ローン・レンジャー

公開 2013年
監督 ゴア・バービンスキー
公開当時 ジョニー・デップ(50歳) アーミー・ハマー(27歳)
オリジナルは1950年代のアメリカのテレビドラマで、日本の「鞍馬天狗」や「月光仮面」を現代風にリメイクしたような作品と言えるかもしれません。
本作は明らかに大人気のジョニー・デップを主軸に据えた作品と言えますが、トントは「パイレーツ・オブ・カリビアン」のジャック・スパロウにスピリチュアル系不思議ちゃん要素を足したようなキャラで既視感があり、特殊メイクに白塗りの厚化粧で最後まで素顔になることはありません。
デップ様のご尊顔を拝みに来た女子はがっかりしたでしょうね。

一人の少年が見世物小屋に足を踏み入れた時、一体のインディアンの展示物が突然動き出し、少年に昔話を語って聞かせる。
ストーリーはトントが過去の冒険活劇を振り返る形式で展開します。
「展示物に魂が宿る」という冒頭の演出は「ナイト・ミュージアム」的な事なのか、それとも少年の見た幻覚なのか、ラストまで見ると余計にわからなくなります。
強盗団一味に捕らえられたトントと、検事ジョン・リード。
強盗団に兄を殺されたジョンは、アイマスクを装着し「ローン・レンジャー」となる。
二人は強盗団のボスを成敗するため、タッグを組むことになる。

「キモサベ 馬は連れてきたか」
「お前はスピリットウォーカーだ。一度あちらの世界へ行って、また戻った」
悪霊ハンターという設定からか、トントのセリフはまるで禅問答のようで要領を得ません。
トントはジョンを「キモサベ」と呼んだ。
キモサベとは信頼のおける友人という意味。
ストーリーはわかりやすくシンプルながら、さすがに本編140分は長く、午後ローではカットされている部分も多いため、強盗団に銃撃され瀕死の状態だったジョンが、なにやら精霊の力を借りて回復したと思われるくだりが端折られていたりと、ストーリーが繋がらない部分も数カ所あります。
序盤と終盤の列車暴走活劇はスピード感があり、「ウイリアムテルの序曲」ともマッチして見応えがありましたが、それ以外の中盤の展開はかったるく、トントとジョンの掛け合いも噛み合っておらず、ダラダラした印象です。
中盤に二人が川に落ちるシーンがあり、そこでトントの白塗りが取れてやっとデップ様の素顔が… と思いきや、期待を裏切られます。
アメリカ史における原住民の歴史は、白人によるインディアンの迫害の血生臭い歴史を掘り下げることになるため、あえてトントを復讐に燃えるキャラでは無く、スピリチュアル系不思議ちゃんに逃がした感があります。

ジョニー・デップはネイティブアメリカンの血を引いており、トントの役は彼の魅力を引き出す要素充分のキャラクターだったにも関わらず、不発に終わった感があります。
ジョニーデップ×アメリカ原住民の作品で思い出すのが、1995年ジム・ジャームッシュ監督の「デッドマン」です。
デップは胸に銃弾を撃ち込まれた体のまま、殺し屋から逃げる男の役を演じており、逃亡を手助けしたインディアンと旅をするというストーリーだったのですが、全編モノクロの画像で叙情的な作品でした。
この時の二人のやりとりも禅問答のようで噛み合っていないのですが、逆にそれが映画の詩的な雰囲気を彩っていた印象です。
本作はパイレーツ・オブ・カリビアンのスタッフが再集結して製作した超大作で、まさに老若男女をターゲットにした作品であり、難しい要素を織り込むよりも最大公約数的な作品に仕上げた方が良かったのかもしれません。

1970年代生まれの私でも、「ローン・レンジャー」が元ネタになっている「インディアン、嘘つかない」
のフレーズは、数々のコントやCМなどで使用されていたので覚えています。
アメリカ人にとって西部劇とは、日本人で言うところの時代劇のようなものなのでしょうか。
クラシック作品を前衛的にアレンジした尖った作品かと思いきや、往年の「ローン・レンジャー」を淡々とリメイクした感があります。
いかにハリウッドがネタ切れとはいえ、さすがに題材が古すぎて若者の心を掴むことができなかったためか、アメリカでの興行収入は大爆死に終わったそうです。
今日も無事に家に帰って午後ローを見れていることに感謝😌です。
総合評価☆☆☆☆☆
ストーリー ★★
流し見許容度★★★
午後ロー親和性★
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