キス・オブ・ザ・ドラゴン
午後ロー10月3日放送
公開 2001年
監督 リュック・ベッソン
公開当時 ジェット・リー(38歳) ブリジット・フォンダ(37歳)
リュック・ベッソンのフランスノワール映画の世界観と香港映画のテイストが程よく混ざり合い、ジェット・リーの魅力を最大限に引き出している作品と言えます。
リュウ役はジェット・リーの素のイメージとも重なるストイックでクールなカンフーの達人で、それでいて純粋で女の扱いが苦手で不器用というギャップに何度見ても改めてキュンとしてしまいます。
ブルー・スリーの武術の達人としてのストイックさと、ジャッキー・チェンのコミカルさを併せ持ち、それに加えて繊細な演技力もあり、単なるアクション俳優に留まらない魅力があります。
麻薬捜査のために中国からパリにやってきた捜査官リュウ。フランス警察リチャードの罠にはまり、マフィアに追われる身となる…
ホテルのフロントで話しかけてきた男は
「中華料理っていうのは良いよな。最初から材料を細かく切ってあるから、ナイフとフォークを使わなくていい」
男の指示で男子トイレに向かったリュウは、フランス警察のリチャード警部の元へ案内される。
「ジョニーと呼んでもいいか? 半日かけて君の名前を覚えなくて済む。」
リチャードは麻薬取引の仲介人で、取引相手の中国人を殺害し、その罪をリュウになすりつけようとしていた。
リュウはパリのチャイナタウンで、娼婦ジェシカと出会う。
彼女は元締めであるリチャードに囲われていた。
ジェシカは不幸な身の上ながら明るく気立ての良い女性で、リュウは戸惑いつつも彼女の境遇を哀れみ徐々に心を通わせていく。
ジェシカには施設に預けている幼い一人娘がいた。
「どんなタイプの女性が好きなの?」
「好きなタイプは、無い」
二人は友情を育むのみで、男女の関係に発展することは無いのです。
ジェット・リー主演作の特色として、一応ヒロイン役は立てているものの、ラブシーンはおろかキスシーンさえ無いのです。これはジェット・リー自身のこだわりなのでしょうか。
終盤の、柔道着を着た猛者軍団とのアクションは、ブルースリーの「死亡遊戯」のような香港映画のテイストを感じることができます。
リュウはカンフーのみならず、あらゆるツボを刺激する針の達人でもあり、華麗な針さばきで敵の動きを封じることができるのです。
驚くジェシカに「中国マジックさ」と事も無げに語るのですが、彼は「少林寺」の中国伝統武術の背景を持つせいかさほど違和感は感じません。
「ドラゴンのキスだ」
リュウは極悪刑事リチャードに天罰を下すべく、体中の血が逆流し憤死するという禁断のツボに針を打つ。
ジェット・リーは1982年「少林寺」で映画デビューし、中国の武術大会で何度も優勝しているだけあって、 本物の武道家としてのオーラがあり、小柄で童顔ながら他の出演者に少しも引けを取らない存在感があります。
本作で彼はハリウッドのアクションスターの地位を不動のものにしたのではないでしょうか。
人間ドラマとカンフーアクションの絶妙なバランスで、彼の繊細な演技力と超人的な身体能力で、中だるみすること無く一気に見ることができます。
リュック・ベッソン監督だけあって、映像の小技も随所に効いており、お色気ありバイオレンスありのハリウッドの王道を行くエンターテイメント作品に仕上がっていますね。
本作は序盤にストリッパーが半裸でダンスをしたり、ジェシカが無理やり麻薬を注射されるシーンがあったりと、現在の地上波ではギリギリと思われる場面が度々登場しますが、午後ロー民がコンプライアンス云々などと野暮なことを言うはずもなく、我らが午後ローだけはテレビの「昼下がりの無法地帯」の立ち位置を貫いてほしいものです。
今日も無事に家に帰って午後ローを見れていることに感謝😌です。
総合評価☆☆☆☆☆
ストーリー★★★
流し見許容度★★★
午後ロー親和性★★★★★
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