トリプルX:再起動

午後ロー9月5日放送

公開 2017年
監督 D・J・カールソー
公開当時 ヴィン・ディーゼル(50歳) ドニー・イェン(54歳) ネイマール(25歳)

「ワイルド・スピード」だと思って見ていましたが、途中で「トリプルX」の続編と気付きました。
ヴィン・ディーゼルはストリート系のワイルドな役を演じることが多く、どの作品も風貌や演技などはあまり差が無いように見えます。
2017年公開作で当時としては最先端のトレンドを取り入れていたのでしょうが、2024年現在見ると絶妙にダサくなっているのが何とも良い味わいですね。

内容はともかく、世界各国の美女がこれでもかと登場する眼福な作品であることは間違いありません。
小悪魔系、セクシー系、クール系、オタク系、熟女系とあらゆるジャンルの美女を堪能することができ、さながら恋愛アドベンチャーゲームの様相を呈しています。

公開当時ヴィン・ディーゼルが50歳と年齢を重ねているため、彼のパワー不足を補うため脇を華やかな美女で固めたのかもしれません。

CIA本部から人工衛星を遠隔操作できる「パンドラの箱」が正体不明のグループによって強奪される。
CIAはパンドラの箱奪還のため、「トリプルX」ことサンダー・ケイジを復職させ特殊任務に就かせる…

パンドラの箱… なんともダサいネーミングですね。

「チーム・ゴースト」のリーダーを演じたドニー・イエンは、ジョン・ローンと石橋凌を足して2で割ったような風貌ですね。
本作は中国資本が介入しているためか中国人キャストが多数登場していますが、2000年中盤からハリウッド映画に見られる傾向といえます。

初代「トリプルX」サンダー・ケイジは生きており、ドミニカ共和国でエクストリームスポーツに興じる気ままな日々を送っていた…

スケボーに乗っている時の体形が明らかにヴィン・ディーゼルとは別人で、水上バイクや無重力空間での攻防などCG丸出しの映像が多く、1作目のような生身を感じるアクションは皆無でやや興ざめしてしまいます。

サンダーは作戦遂行のためCIAが用意した特殊部隊の協力を拒み、新たに仲間を招集する。
「全員凄腕で、サイコーで、イカれてる」
凄腕スナイパーのアデル、愉快なDJのニック、ドライバーのテニソン。

フィリピンの「チーム・ゴースト」が潜伏していると思われるフィリピンのクラブに潜入。
クラブの喧騒にまぎれ諜報活動を行う。

若ぶっていてもヴィン・ディーゼルはさすがにおっさんで、若者ばかりのクラブではかなり浮いており、風貌も相俟ってこれでは目立ち過ぎてしまい諜報活動しにくいのではないでしょうか。

チームのメンバーも、スナイパーのアデル以外たいした役割を果たしておらず、他の二人は不要だったかもしれません。
ニックに至っては特技が「究極のパリピでパーティーを盛り上げるのがうまい」というもので、国家の存亡を賭けた特殊任務に必要な人材とは到底思えません。

終盤に進むにつれ 「チーム・ゴースト」のメンバーや、サンダーの仲間チームなど、登場人物が多すぎて敵味方入り乱れる構造になり、とっ散らかってグダグダした展開になり、最終的に「チーム・ゴースト」がサンダーと共闘する点など、中国マーケットを意識した脚本が透けて見えます。

「トリプルX」の魅力は「ストリート系ワルが国家のために戦う」点にあると思いますが、
「チョイ悪なのが素敵🧡」
登場人物に言わせてしまっては台無しですね。

本作で出色だったのは、クールで頼りがいがあってどこか狂気を帯びているスナイパーのアデルです。
終盤の狙撃シーンはサンダーとの信頼関係を感じさせる演出で、彼女とサンダーだけで続編を制作しても成立するのではないかと思うほどです。

メカニック担当のベッキーはオタク系美女で、チョイ悪おやじのサンダーとのコントラストが出ており際立ってキュートだった印象です。
余計な登場人物をすべて切り捨て、味方はアデルとベッキーだけのシンプルな構造にすればそこそこエッジの立った秀作になったのではないでしょうか。

冒頭とラストにブラジル代表のネイマールが登場するなど随所で観客のテンションを上げる演出もなされており、製作者の「やりきった感」を感じることができます。

一作目ほどヴィン・ディーゼルの存在感は際立っていなかったものの、ド派手なアクション演出、カンフー、美女、絶妙なダサさ加減といい、午後ロー映画として100満点をあげたくなる作品で「午後ローばんざい!」と雄叫びをあげたくなる作品です。

今日も無事に家に帰って午後ローを見れていることに感謝😌です。

総合評価☆☆☆☆☆
ストーリー★★
流し見許容度★★★★
午後ロー親和性★★★★★