ゴーストシップ

午後のロードショー6月24日放送

公開  2002年
監督  スティーブ・ベック
公開当時 ジュリアナ・マルグリーズ(36歳) ガブリエル・バーン(52歳) エミリー・ブラウニング(14歳)

少人数の限られた空間でのパニックホラーという点から、富士急ハイランドの人気アトラクション「戦慄病棟」のようなワクワク感があり、幽霊船が舞台のせいか不思議な夏休み感があります。

冒頭の優雅な船上パーティのシーンからのグロテスクな殺戮描写には凍りついてしまいました。
ワイヤーで人体が切り刻まれる血みどろシーンと、中盤のウジ虫の描写はホラー映画史に残るショッキングなシーンと言えるかもしれません。
制作にロバート・ゼメキスが関わっているせいか、随所で尖った演出がみられます。

船の修理のため一晩幽霊船で過ごすことになった乗組員らは、次々と怪奇現象に見舞われる。
船内に入ったとたんに無線が通じなくなったり、突然動き出す時計などホラー描写満載のお化け屋敷感で序盤から期待値が上がります。
ワイルドでやんちゃなドッジとサントス、イキってるけどヘタレなマンダー、クールな船長マーフィー、頭脳派で理屈っぽいけど実はスケベなグリーア、紅一点のエップス 乗組員のキャラもしっかり立たせています。

「幽霊なら、浮気じゃないよな…」
グリーアは美女の霊に誘惑され転落死する。
  
「おい、口に何か着いてるぞ…」
ドッジとマンダーが40年前の缶詰を試食するも、中身が突然ウジ虫に変わる。
乗組員は霊が引き起こす怪奇現象の犠牲となり、次々と命を落としていく。

エップスが船内で不思議な少女ケイティと出会ったり、プールから溢れ出る鮮血など「シャイニング」を彷彿とさせるようなホラー描写もあります。

エップスは不思議な少女の霊に導かれ、船で起こった事件の真相を知ることになる。 

船の捜索を依頼してきたフェリマンの正体は「魂の回収屋」でありサタンの手下だった。

終盤、主題が心霊からオカルトへと急展開します。

船の中で死んだ乗客の怨霊との攻防から、乗客の魂を欲するサタンの手下との戦いに転じた事で、見応えはあるものの、ホラーとしての怖さは半減したと言えます。
ラストはモヤモヤが残るバッドエンドで、あっけらかんとしたB級映画で終わらせていない捻りがあります。

ケイティを演じたエミリー・ブラウニングは、この頃「レモニー・スニケット世にも不幸せな物語」などミステリアスな美少女というイメージが強く本作のイメージにぴったりですね。
成長してからは午後ローでも度々放送される「ポンペイ」に出演しています。

公開当時、TSUTAYAでレンタルして見たのを覚えていますが、内容はほとんど忘れていたものの冒頭のワイヤーのシーンだけは記憶に残っていました。
このシーンが、本作の一番の見せ場と言えますね。

91分とコンパクトで中だるみの無いスピーディーな展開で、メタルロックの音楽をバックに事件の真相が語られるなど尖った演出が効いています。

グロ描写に皮膚感覚に訴えてくるような生々しさがあり、赤いドレスの美女フランチェスカやウジ虫などインパクトのあるシーンが多く、ホラーの中にエロ要素とコメディ要素が程よく盛り込まれ、エンターテイメント作品としてはそこそこ合格点ではないでしょうか。 

怖い話が大の苦手な私でも見る事ができる「ホーンテッドマンション」以上、「シャイニング」未満のライトなホラーで、夏休みにエアコンの効いた部屋でのんびり見るには最高の映画です。

今日も無事に家に帰って午後ローを見れていることに感謝😌です。

総合評価☆☆☆☆☆
ストーリー★★
流し見許容度★★★
午後ロー親和性★★★★★