刑事ジョー ママにお手上げ

2024年6月19日

午後のロードショー6月4日放送

公開 1992年
監督 ロジャー・スポティスウィッド
公開当時 シルベスター・スタローン(46歳)

本作の日本でのキャッチコピーは「スタローンが“スタちゃん”になった」というもので、当時アクションのみならず「ツインズ」や「キンダガートン・コップ」でも大ヒットを飛ばしたライバルのシュワルツェネッガーこと「シュワちゃん」を意識して製作されたものだそうです。

過保護な母親に手を焼く敏腕刑事ジョーの活躍を描いており、バックに流れる軽快な音楽といい全編通してコメディ全開なのですが笑える場面はほとんど無く、残念ながら尽くスベり倒しています。

スタローンは「ロッキー」などのひたすらストイックに訓練に耐え忍ぶ役や、「ランボー」などのベトナム帰還兵の役をたて続けに演じていたせいか、目に哀感と闇があり、シュワルツェネッガーのようなはっちゃけてすっとぼけた感じに乏しく、コメディにはハマっていなかったかもしれません。

スタローンの「男らしさの塊」とも言えるイメージから真逆の方向に振ったともとれるキャラクターで、「ママ」連発し、子犬を愛でたりオムツ姿を披露するなどギャップ萌えを狙ったのかもしれませんが、違和感しかありません。

エステルはミヤコ蝶々を彷彿とさせるコケティッシュな外見で、過干渉なママというよりはかなりぶっ飛んだサイコパスなのです。
常にジョーの子供の頃のアルバムを携帯し事あるごとに周囲の人間に見せて回り、銃を食器用洗剤で洗浄するなど、ジョーの目から完全に生気を失わせるほどの破壊力のあるボケを連発します。 

「止まれ!さもないとママが撃つぞ!」
エステルは射撃の腕も一流、一度見ただけの犯人の車のナンバーから車種まですべて記憶していたりと、ジョーも顔負けの捜査能力を発揮する。
エステルのボケに振り回されっぱなしのジョーなのですが、終盤はバディのように二人で協力して犯人を追い詰めていくのです。

ジョーは上司のグエンと恋愛関係にあり、署内で人目もはばからず痴話げんかをしたりイチャついたりと付かず離れずの関係だったのが、最終的にエステルの助言で晴れてゴールイン。
エステルとジョーのボケとツッコミ、事件の捜査、グエンとの恋愛が並行して描かれますが、どれもまるで面白くなく、倍速で視聴しても退屈してしまうほどでした。

本作は元々シュワルツェネッガーが「クソみたいな脚本だ」と断ったため、ライバルだったスタローンに主演のオファーが回ってきたのだそうです。
元カリフォルニア知事だけあって、判断力はスタローンよりも優れていたと言えます。
結果的に本作はスタローンの黒歴史と言えますね。

今日も無事に家に帰って午後ローを見れていることに感謝😌です。

総合評価☆☆☆☆☆
ストーリー★
流し見許容度★★★★★
午後ロー親和性★★★★★