ゴースト&ダークネス
午後のロードショー大好きなパート主婦です。
今回は午後ロー3月22日放送のゴースト&ダークネスの感想です。
公開 1997年
監督 スティーブン・ホプキンス
公開当時 ヴァル・キルマー37歳 マイケル・ダグラス52歳
19世紀末のアフリカで140人を殺害したという2頭の人食いライオンの実話を元に描かれた映画。
橋を架けるため現地に呼ばれたパターソン中佐は、工事の邪魔をする〝ゴースト〟と〝ダークネス〟と呼ばれる2頭の人食いライオンの存在を知り、凄腕ハンター、レミントンと共にライオン退治を試みる…
ライオンが強すぎる、というよりは人間が弱すぎる印象です。
人員も武器も潤沢にあるはずの人間チームは、ある意味素手のライオンチームにまったく歯が立たないのです。
ゴースト&ダークネスというタイトルと映像から想像するに、ジャングルに現れた正体不明の怪物をハンター二人が特殊能力を使って退治する… といった壮大なものを想像してしまうのですが、敵は意外にも普通のライオン2頭なのです。
本物のライオンとフェイクの頭部のチープな合成のためか、ライオンの恐ろしさがあまり伝わって来ず、動物パニック映画としてはB級と言わざるを得ません。
このシナリオはスピルバーグ監督の「ジョーズ」に似ていますね。ジョーズの舞台をそのまま陸に移したといっても良いかもしれません。
ただ、謎多き海洋生物サメと比較して、ライオンは同じ哺乳類であることと、動物園で気軽にその姿を拝めることから、神秘性に乏しく恐怖を駆り立てるには物足りないのかもしれません。
つぶらな瞳も恐怖心を萎えさせますね。
マイケル・ダグラス演じるレミントンは凄腕のハンターで、映画の中盤でマサイ族の軍団を引き連れて華々しく登場します。
彼が引き連れてきたマサイ族は見掛け倒しであまり役に立ちませんでしたね。
その名を聞けば泣く子も黙る凄腕ハンターのレミントンなのですが、結局は血の匂いでおびき出し銃殺する、といった特にひねりの無い作戦でことごとく失敗するのです。
ライオンは病院を襲撃し患者を喰いまくるのですが、マサイ族の軍団を病院の警護につけるとかもっと戦略的に戦ってほしかったものです。
レミントンは最後、あっけなくライオンに殺されてしまいます。
もう少しライオンとの体当たりの攻防戦があっても良かったと思うのですが…
実話を元に製作されてることを生かし、余計な人間ドラマを入れず、日本の「三毛別ヒグマ事件」のようなドキュメンタリータッチで描いた方が緊張感があったかもしれません。
ヴァル・キルマーは先日午後ローでも放送された「セイント」といい、いまひとつ出演作に恵まれていないイメージですね。
彼は同時期に公開された「D.N.A/ドクターモローの島」のモロー博士の助手役で出演しており、この映画のパターソン中佐役と共にその年の最低映画に送られるゴールデンラズベリー賞で最低主演男優賞をW受賞しているのですね。
ちなみに、その年の最低映画賞に輝いた「D.N.A/ドクターモローの島」は主演の名優マーロン・ブランドを出演に掻き立てた心理状態と経済状態が心配になるほどの珍作でした。
この映画のライオン〝ゴースト〟と〝ダークネス〟は殺人を意図的に行っているようですが、通常ライオンは空腹にならないと人間を襲わないそうですね。
世の中には時々「何でこれ作ろうと思ったの?」と製作者に問いかけたくなる映画が存在しますが、この映画はまさにそれと言えるでしょう。
ツタヤの洋画セクション「コ」の棚でひっそりとホコリをかぶっていそうなこの映画が午後ローで放送され多くの人の目に触れるのは、B級映画を成仏させるためのお焚き上げのようですね。
今日も無事に家に帰って午後ローを見れていることに感謝😌です。
総合評価★★★★★
ストーリー ★
午後ロー親和性 ★★★★★
流し見許容度 ★★★★★
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