チェイサー

2023年7月8日


午後のロードショー大好きなパート主婦です。
今回は午後ロー6月26日放送チェイサーの感想です。
ハルベリー主演、子どもの誘拐映画『チェイサー』の感想~母ちゃんをナメるな~ - ミセスGのブログ公開 2017年
監督 ルイス・プリエト
公開当時 ハル・ベリー50歳

最初から最後までハル・ベリーの「顔面劇場」と言って良いほど、彼女の顔面アップの映像が多い印象です。
映画の大半はハル・ベリー演じるカーラが誘拐犯を車で追跡するシーンで、運転する彼女の胸から上のショットが多く、美人女優の殻を脱ぎ捨てた50歳のハル・ベリーの瞳孔開きっぱなしの鬼気迫る顔芸を堪能することができます。

ストーリーは特にひねりは無く、子供を誘拐された母親が頼りない警察に業を煮やし、自力で我が子を救出するまでを描いています。
チェイサー」 DVD ハル・ベリー - へんたいみやけさんの本と映画とCDとキャバクラシングルマザーのカーラは、息子のフランキーを連れて公園に行くも、一瞬目を離した隙にフランキーの姿が見えなくなる。
フランキーはカーラの目の前で誘拐される。
息子を取り戻すため、カーラの必死の追跡劇が始まる…

冒頭のフランキーが誕生してから6歳までの成長の過程を長々と見せるシーンは、カーラの息子に対する愛情の深さを表したかったのでしょうが、ちょっと尺が長すぎますね。
何か事件との伏線が隠されているのかと思いましたが、何ら関係ありませんでした。

レストランでウエイトレスとして働いているカーラ。
カーラは不動産業をしていた夫と離婚しており、夫から弁護士を通してフランキーの親権を取り戻したいと言われているのです。
養育費などは貰っているのでしょうが、女手一つで息子を大学まで進学させるのは大変かもしれませんね。

カーラの目の前でフランキーは無理やり車に乗せられ誘拐されてしまう。
カーラは必死で車を追いかけるも、転んだ拍子に携帯を落としてしまい、警察に連絡することもままならない。

カーチェイスのシーンは、息子の乗った車を見失うまいと我を忘れて無謀な運転をするカーラに感情移入でき、スリリングな展開でした。
カーラの車の中での独白のシーンが多く、ハル・ベリーの一人舞台を見ているようです。

車から出てきた犯人の男女は、俗にいう「ホワイトトラッシュ」と呼ばれるような、アメリカの低所得者層の柄の悪い白人…
アメリカの田舎ホラーの登場人物のような犯人の得体の知れなさに恐怖を感じます。
アメリカ人にとって彼らは北関東の片田舎のヤンキーのような「いるいるこういう人~!!」という感じなのではないでしょうか。
こんなのに子供を誘拐されたなんて、カーラにとっては悪夢でしかありませんね。

映画『チェイサー』ポスタービジュアル&場面写真が公開 | エイガレビュー

「私のお金を全部あげる! 1万ドルあるわ!」
1万ドルとは、日本円で100万円くらいでしょうか。

無関係な人を事故に巻き込みながら無双に車を走らせるカーラは、車が派手に追突しても、横転しても、かすり傷程度しか負わないのです。
ターミネーターのような不死身さには、犯人の方が震えあがってしまいますね。

チェイサー(2017):映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画

犯人は国際的な誘拐組織に属しており、子供を誘拐しては組織に引き渡していた。

犯人のアジトを突き止めたカーラは、決死の攻防戦の末、犯人の女を湖に沈める。
体格差から考えても、細身のカーラが大柄な犯人の女と戦って勝つのは現実的に不可能でしょうね。

ラストの攻防戦でカーラは、助けに来た隣人が国際誘拐組織の一味だという事を見抜くのですが、とっさにあそこまでの機転が利くかどうかは疑問です。
「誘拐する子を間違えたわね!」
カーラは事件を自力で解決したことで、母親の鑑として世間に知られることとなり親権も無事に確保できるのではないでしょうか。
いかに我が子が可愛くてもここまでできる母親はいないでしょうね。
チェイサー | あらすじ・内容・スタッフ・キャスト・作品情報 - 映画ナタリーハリウッドの大女優ハル・ベリーも今作では化粧っ気のない疲労困憊した顔、ボサボサの髪、上下ユニクロのような庶民的な服装で、嘘くさくない普通の主婦感がでています。

原題は内容そのものの「KIDNAP」です。
アメリカでは毎日2000人もの子供が行方不明になっており、そのほとんどが犯罪性の無い家出によるものと、離婚などによって親権を失った片親による連れ去りなのだそうです。
日本では考えられない状況ですね。
銃社会であり治安の悪いアメリカでシングルマザーとして子供を育てるのは、想像を絶するような苦労と緊張を強いられるものなのでしょうね。

ハル・ベリー、初監督&主演作のファイトシーン撮影中にケガ | cinemacafe.net

ハルベリーは2001年に「チョコレート」でオスカーの主演女優賞を受賞しており、ハリウッドで活躍する黒人女優の中でトップといっても過言ではありません。
午後ローでは1991年の「ラスト・ボーイスカウト」から2002年「007ダイ・アナザー・デイ」など、彼女のデビュー当時から全盛期、現在に至るまで数多く主演作が放送されているため、彼女の女優としての足跡をフィルモグラフィーのように見る事ができます。

40代の前半まではセクシーな美女を演じる事が多かった印象ですが、この映画での顔面の鬼気迫る演技は、演技派女優へとシフトしていく彼女の決意表明といえます。

この映画はハル・ベリーが製作総指揮を担当しているのですね。

彼女自身、2015年に俳優のオリヴィエ・マルティネスとの間に子供を出産しており、母と子の絆を描いた作品を撮りたかったのではないでしょうか。

まさに女は弱いが母は強し、戦闘モードになった母親ほど強く逞しい存在はこの世に無いですね。

今日も無事に家に帰って午後ローを見れていることに感謝😌です。

総合評価☆☆☆☆☆
ストーリー★★★
流し見許容度★
午後ロー親和性★★★

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