裸の銃を持つ男PART33 3/1 最後の恥辱
午後のロードショー大好きなパート主婦です。
今回は裸の銃を持つ男PART33 3/1 最後の恥辱の感想です。
公開 1994年
監督 ピーター・シーガル
公開当時 レスリー・ニールセン68歳 プリシラ・プレスリー49歳 O・J・シンプソン47歳
BSで「裸の銃を持つ男」シリーズ3部作が放送されていたので十数年ぶりに見たのですが、声を出して笑ってしまいました。
映画を見て爆笑するのは久しぶりかもしれません。
この映画が放映されたのは私が20代の頃だったのですが、テレビCМなどで大々的に宣伝していたのを思い出します。
振り切ったコメディ映画として「Mr.ビーン」や「オースティン・パワーズ」「最終絶叫計画」などがありますが、どれもこの映画のスピード感と熱量には及んでいないのではないでしょうか。
全編に渡って下ネタとブラックユーモアが満載で、あらゆる人種や政治情勢をイジリ倒してコケにしまくるスタイルは現在のようなポリコレ重視の世の中ではもう制作できないかもしれません。
三千人の犯人を射殺し表彰された元ロス市警の敏腕刑事フランク・ドレビン警部は退職しジェーンと結婚、専業主夫に専念していた。
しかし、爆弾テロリスト達の陰謀にかつての同僚がピンチにあるのを知るや職場復帰を決意する。
このシリーズの魅力は何といっても主演のレスリー・ニールセンのキャラクターです。
外見は上品な紳士でありながら、無邪気に人を傷つけ破壊しまくるドレビン刑事を、すっとぼけて天真爛漫に演じています。
彼でなければ、こんなに笑える作品にはならなかったでしょうね。
ドレビン警部は退職祝いのパーティーのスピーチで「みんなでたくさん殺したな。楽しかった…」
ドレビン刑事を始めとする登場人物が数秒おきにボケまくるため付いていけなくなるほどです。
元ネタがわからないアメリカンジョークも多々あり、玉石混交と言えますが、ボケの種類も豊富で角度や球種を変えて矢継ぎ早に投げてくる感があるため、力業で笑わせらてしまいます。
恒例のパトロールランプが迷走するオープニングはお馴染みのゴージャスなビッグバンド・ジャズと共に、女子更衣室やスターウォーズ、果てはジュラシックパークに乱入したりと、シリーズ最後の作品らしいグレードアップ感があります。
超人的な動きを見せるドレビン警部なのですが、ほぼスタントマンの吹き替えであり、エンドロールにちゃんとスタントマンたちの名前がクレジットされているのも心憎いですね。
PART1はひたすら下ネタとブラックジョークで攻めた感がありますが、PART2からは既存の映画のパロディが増えたように思います。
このPART3でも「大脱走」や「テルマ・アンド・ルイーズ」「アンタッチャブル」などのネタが満載で、ラストはアカデミー賞授賞式で締めるのもグッときますね。
ドレビン警部の妻ジェーンは、エルビス・プレスリーの元妻であるプリシラ・プレスリーが3部作に渡って演じています。
同僚刑事のノードバーグは、妻の殺害容疑で起訴され全米が注目する裁判劇を繰り広げたO・J・シンプソンが演じており、当時のニュースで彼はアメリカにおいて日本でいうところの長嶋茂雄のような存在と説明されていましたが、とことんおバカなノードバーグの役をよく引き受けたものです。
PART3では犯人役に「トレマーズ」シリーズでお馴染みのフレッド・ウォード、その愛人役を当時大人気のスーパーモデル、アンナ・ニコル・スミスが演じています。
捻りのあるエッジの効いたキャスティングにもニヤリとしてしまいます。
レスリー・ニールセンは2010年に84歳でこの世を去っているのですね。
彼はあえてキャラを厚塗りせず、過剰に演じない事で、この映画のバカバカしい世界観を引き立てています。
「俳優の力量が最も試されるのはコメディである」と誰かが言っていたのを思い出します。
「笑い」というのは非常に引き出しにくい感情であり、作品に対する深い読み込みが必要とされるのでしょうね。
全編ふざけ倒しているものの完成度が高く「大人の悪ふざけ」が効いており、83分の間にこれでもかとネタを仕込んでくる熱量には脱帽してしまいます。
20年前の作品とはいえ、現在の不穏な時代の空気を笑い飛ばすような清々しい作品ですね。
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