クロール ー凶暴領域ー
午後のロードショー大好きなパート主婦です。
今回は午後ロー5月16日放送クロールー凶暴領域ーの感想です。
公開 2019年
監督 アレクサンドル・アジャ
公開当時 カヤ・スコデラリオ27歳 バリー・ペッパー40歳
ワニは水陸両用型の猛獣という点でサメよりもタチが悪く手強い相手のはずなのですが、サメほど恐怖を感じないのはなぜでしょうか。
サメがこれほど恐れられるようになったのは、1975年スピルバーグ監督の「ジョーズ」の影響が大きいのだと思います。
あの名作の存在あってこそ、その後次々と多種多様なサメ映画が公開され続けていると思うのです。
動物パニック映画の中でも「ワニ」が登場する作品では、どの監督もワニの怖さを描き切れていないように思います。
怖さという点では、アマゾンの怪魚ピラニアにも劣ると言えますね。
大学生で競泳選手のヘイリーは、ハリケーンが迫る中、連絡が取れない父親の安否を気遣いフロリダ州の実家へと向かうが、そこは洪水のため氾濫した川から逃げ出したワニの巣窟と化していた。
ヘイリーとその父デイブは脱出を試み、凶暴なワニとの決死の戦いを繰り広げる…
舞台がほぼフロリダのヘイリーの実家とその周辺のみであり、ワニの生け簀と化した空間で親子二人がひたすら逃げ回る設定は悪くは無いと思うのですが、緊張感に乏しい展開だったといえます。
序盤のヘイリーが父親を訪ねて実家に行き、地下室でサメと出くわすまでの展開は、画面の質感やCG丸出しのワニといい、つまらないRPGようですね。
デイブはヘイリーの水泳の上達に熱をいれるあまり、夫婦関係に亀裂が生じ、その事をヘイリーも気に病んでいる。
地下室でワニに包囲される二人。
ところが二人はワニそっちのけで、やれ、競泳でベストの記録を出せなかった、奨学金を貰えなかった、母親が出て行ったのは父さんのせいだなどの痴話げんかを始めるのです。
これでは、ワニに失礼というものですね。
ヘイリーとデイブは何度もワニに襲われ噛まれるのですが、全然ダメージを受けないのです。
ヘイリーは腕をガッツリとワニに噛まれたのに「痛ア~い😫‼」
ワニに噛まれて「痛い」で済むはずありませんよね。
食いちぎられてもおかしくないのに、彼女はかすり傷程度しか負っていないのです。
父親のデイブに至っては、肩と足をワニにザックリ噛まれた上、溺れて心停止までしたのに、ヘイリーの救急処置で普通に生き返るのです。
何度襲ってもダメージを受けないゾンビのような親子には、ワニの方こそ恐怖だったのでないでしょうか。
二人はなんとか家の外に脱出するものの、洪水で周囲はワニの生け簀と化している。
なんとかボートまで辿り着き、助けを呼ばなくてはならない。
デイブはヘイリーに「ワニより早く泳げ‼」
ヘイリーが水泳の選手だという設定がここで初めて生かされるのです。
ワニとの競泳に勝ったヘイリーはボートの上で「最強捕食生物ナメるな‼」
このくだりは、完全にネタですね。
見る者を笑かそうとしている感が透けて見えます。
最終的に二人は屋根に上り、そこで救助を待つことになるのです。
最初からそうしていれば良かったのではと思うのですが…
カテゴリー5の台風×ワニという二つのパニック要素を無理やり足し算しており、動物パニックに親子の確執と絆をからめた珍妙な作品であると言えます。
午後ローでも度々放送される「シャークネード」や「ランドシャーク」に並ぶ愛すべきおバカB級映画ですね。
デイブ役のバリー・ペッパーは先日午後ローで放送された「オーバードライブ」にクールな麻薬捜査官役で出演していました。
渋くて色気のある俳優ですね。
カヤ・スコデラリオは「メイズ・ランナー」や「バイオハザード」など、結構メジャーな作品にも出演している人気女優なのですね。
大きな目をカッと見開き、ワニにガチ勝負を挑む体育会系女子ヘイリーを熱演していました。
以前、別府温泉に旅行した時、鬼山地獄のワニ園の中にある展示室に「イチロー」と名付けられた体長5メートルはあろうかというワニの骨格標本があったのを思い出します。
この大きさの個体が、実際生きて動いていたのかと思うと背筋が寒くなりました。
ワニが登場する動物パニック映画は数多く制作されていますが、どれもワニの「生ける恐竜」ともいえる迫力あるビジュアルを生かし切れていないと思うのです。
スピルバーグ監督に今作と同じ予算でワニ映画を作らせたらどうなるでしょうか。
「ジョーズ」のようなワニ映画の名作を作ることが、今後のハリウッドの課題と言えそうですね。
今日も無事に家に帰って午後ローを見れていることに感謝です。
総合評価☆☆☆☆☆
ストーリー★
流し見許容度★★★★★
午後ロー親和性★★★★★
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