ゆりかごを揺らす手


午後のロードショー大好きなパート主婦です。
今回は午後ロー5月8日放送ゆりかごを揺らす手の感想です。
Amazon | ゆりかごを揺らす手 [DVD] | 映画公開 1992年
監督 カーティス・ハンソン
公開当時 アナベラ・シオラ32歳 レベッカ・デモーネイ32歳 ジュリアン・ムーア31歳

この映画は20代の頃、映画館に見に行きました。
テレ東の深夜に放送されていた「シネマ通信」で紹介されていて面白そうだと思ったからです。
やはり映画館にまで見に行こうという気にさせしめたのは、レベッカ・デモーネイ演じるペイトンの怪演でした。
ペイトンの時折見せる、ギラとした怨念の籠った眼差しには背筋が凍るものがあります。

放送ではカットされていましたが、ペイトンの夫の産婦人科医がクレアに加えるセクハラはエグイものがありました。
ネットの感想の中に「ペイトンの夫は無実かもしれないのに、これではクレアが恨まれて当然」といったものがありましたが、編集を加えているので伝わりにくいでしょうね。

それにしても、テレビで犯罪を告発した被害者の顔を放送するなんて、あり得ないことですね。しかも性被害者だというのに・・・
結局ペイトンはこの放送でクレアの情報を知り、復讐のため乗り込んでいくのです。

ペイトンは自殺した夫の事を心底信頼し愛していたようですが、変質者同士気が合っていたのでしょうか。

完全なるペイトンの逆恨みであり、クレアからすればはいい迷惑ですね。

レビュー] ゆりかごを揺らす手 (1992年の外国映画) | 思考回廊クレアの夫マイケルは、妻の趣味の園芸のために温室を改修したり、園芸に時間を割けるようシッターを雇うことを提案したり、よほど稼ぎのある良い旦那なのですね。
ペイトンが嫉妬するのもわかる気がします。
それにしても、こんなにセクシーな美女をベビーシッターとして家に住まわせるなんて、クレアはよほど自分に自信があったのですね。
映画 ゆりかごを揺らす手 (1991)について 映画データベース - allcinema

最初は地味に陰湿に、徐々にダイナミックになっていくペイトンの嫌がらせ。
透明な水に一滴ずつ墨を垂らすように、の幸せな家庭を侵食していく。

クレアと夫、子供たちの間に楔を打っていくのです。

当初はクレアもろとも家族を破滅させようとしていたように見えるのですが、徐々にクレアに取って代わって家族を乗っ取ろうとしているように見えるのです。
夫のマイケルが、意外に好みのタイプだったのでししょうか。
これまた今回はカットされていましたが、クレアが入院している間にペイトンがマイケルを誘惑するシーンがあるのですが、マイケルは寸での所で踏みとどまるのです。この部分は、カットしない方が良かったかもしれません。

最終版、逃げまわるクレアの娘、エマを金属棒片手に「エマ~!エマ~!」と探し回るペイトンは、さながら「13日の金曜日」のジェイソン顔負けの怪物っぷりでした。

主人公のヒロインが我慢に我慢を重ね、最後に反転攻勢に出る展開はどこか韓国ドラマ的ですね。
クレアがペイトンに見事なパンチを喰らわせぶっ飛ばすシーンには溜飲が一気に下がる思いがしました。
ゆりかごを揺らす手: 人生はスラップスティッククレアの友人、マーリーンの役でまだ女優としてブレイクする前のジュリアン・ムーアが出演しています。ペイトンにあっけなく殺される役でしたが、さすがの存在感を放っていました。
映画「ゆりかごを揺らす手」 | 朝のリンゴは金 - 楽天ブログこの映画はなんといっても、レベッカ・デモーネイとアナベラ・シオラ、二人の演技派女優の競演をみる作品と言えます。

アナベラ・シオラは人が良くて可愛い、どこにでもいる普通の主婦を演じていましたが、喘息の発作で苦しむシーンなど見ているほうが息苦しくなってくるほどの真に迫った演技でした。
怪物ペイトンに翻弄される普通の主婦という立場で、見る者の共感を見事に引き寄せていたと言えます。
最も共有された! √] ゆりかご を 揺らす 手 映画外見はセクシーな美女、中身は怪物のペイトンを演じたレベッカ・デモーネイの怪演無しでは、この映画は成立しなかったでしょうね。
トイレの中で手紙を引きちぎりながら、ガンガンドアを蹴って行き場のない感情を爆発させるペイトンにはガクブルになってしまいます。
ジョンに授乳するシーンがありましたが、細身な体形なのに豊満な彼女の胸に見入ってしまいました。

レベッカ・デモーネイは「三銃士」のミレディや「ストレンジャー」のサイコパス役など、繊細でクールな美貌の持ち主にも関わらず悪女を演じる事が多いですね。

女性の復讐は言葉一つで相手を翻弄したり、真綿でじわじわと相手の首を絞めるような心理戦で、見ていて息が詰まるほど恐ろしいものがあります。

この映画は名作ホラー「エスター」の元ネタだそうです。
この手の作品は悪役の「怪物性」に映画の成否がかかっていると言っても良いですね。

今日も無事に家に帰って午後ローを見れていることに感謝😌です。

総合評価☆☆☆☆☆
ストーリー★★★★
流し見許容度★★
午後ロー親和性★★★★★