シャーロック・ホームズ シャドウゲーム
午後のロードショー大好きなパート主婦です。
今回は午後ロー5月5日放送シャーロック・ホームズ シャドウゲームの感想です。
監督 ガイ・リッチー
公開 2011年
公開当時 ロバート・ダウニー・jr46歳 ジュード・ロウ38歳 ジャレッド・ハリス50歳 ノオミ・ラパス44歳 レイチェル・マクアダムス32歳
この映画は金曜ロードショーで地上波初放送された時からもう3回は見ていると思うのですが、今回初めて最後まで真剣に見た後、中々の秀作である事に気付きました。
先日午後ローで放送された第一作目の「シャーロック・ホームズ」は少し残念な仕上がりだったものの、今作は登場人物のキャラクターや相関図などを理解した上で見る分、無理なくストーリーに入り込めたからかもしれません。
今作ではホームズとワトソンの愛情にも似た友情に焦点が当てられれており、ややBL要素すら感じるほどです。
前作でホームズの恋人役だったアイリーン・アドラーが序盤でさっさと死亡してしまい、二人の関係性一本にストーリーを絞ったのが良かったのかもしれません。
19世紀末のイギリス。
第一次世界大戦を間近に控え、ドイツとフランスが臨戦態勢に入り不穏な世界情勢の中、ロンドンの各地で連続爆破事件が発生していた。
軍需産業で稼ごうと目論む宿敵モリアーティ教授とホームズの因縁の戦いが始まる…
序盤、中国人の変装をしたホームズが、ヒゲとかつらを取ったところで、「シャーロック・ホームズ (ロバート・ダウニー・jr)」のテロップ。
編集のセンスの良さを感じてしまいました。
親友ワトソンがメアリーと結婚するのを寂しく思うホームズ。
嫁と姑のようにワトソンを取り合うホームズとメアリーは微笑ましいものがあります。
ワトソンとメアリーがハネムーンに行くため乗った列車に女装したホームズが現れ、メアリーを川に突き落とすシーンは思わず笑ってしまいました。
宿敵モリアーティ教授に呼び出されるホームズ。
彼はホームズのみならず、ワトソン夫妻にも危害を加える事をほのめかす。
ホームズの宿敵であるモリアーティ教授を演じたジャレット・ハリスは英国俳優らしい気品があり、彼の悪役としての存在感がこの映画をより魅力的にしていたと思います。
彼は「スモーク」や「ハピネス」などのインディペンデント系の映画を中心に活躍する超演技派俳優なのですね。
今作でのホームズはひたすらワトソンを追いかける側であり、報われない片思いの不憫さ、切なさを感じるのです。
列車のシーンでホームズが意味も無く女装し、ワトソンと添い寝したりと、BL要素満載であると言えます。
ラストのホームズとモリアーティ教授の、脳内での肉弾戦バトルは見応えがありました。
自分に勝ち目が無いことを推察したホームズは
「だが、この手がある」
教授もろ共、崖に転落する…
落ちる寸前、ワトソンと一瞬目が合うのが印象的です。
BL的な要素はともかく、ホームズがワトソンに捧げる「無償の愛」という点で、静かに感動してしまいました。
ジュード・ロウは「オスカー・ワイルド」や「リプリー」など、女性のみならず「男が惚れる男」なのですね。
ホームズの友愛を暑苦しそうに跳ね返すクールなワトソンを演じていました。
前作ではややミスキャストな感がありましたが、ワトソンをジュード・ロウのような美青年にしたことが、2作目ににしてやっと生きてきたといえます。
ロバート・ダウニー・jrは前作では「アイアンマン」感が抜け切れていなかったものの、今作ではブロマンス要素を投入することで「アイアンマン」には無い個性が出ていたと思うのです。
ホームズのワトソンに対する並々ならぬ執着をコミカルに演じており、改めてシリアスからコメディまで自在に演じられる演技派だと感じました。
名探偵らしく推理する一方、大真面目にバカをやるお茶目さがあり「ガイ・リッチー版ホームズ」の魅力を最大限に見せていたといえます。
ホームズの兄マイクロフト・ホームズとの関係性も面白く、脇役のキャラも立っていますね。
そてにしてもレイチェル・マクアダムスは別として、ノオミ・ラパスやケリー・ライリーなどの女優陣は華がありませんね。
主演二人を引き立たせるためでしょうか。
シムザの仲間であるジプシー仲間との逃走シーンなど中盤はやや中だるみがあるものの、メリハリのある展開で、最後まで集中力を切らさないで見る事ができました。
前作では舞台がロンドンに限定されていたのですが、今作はパリ、スイスと007のように世界各地を移動し、サスペンスアクションとして見る者を飽きさせない展開です。
1980年代にNHKで放送された、イギリスBBC制作の「シャーロックホームズの冒険」はさほど見ていないのですが、主演のジェレミー・ブレットは「シャーロキアン」の間で最も原作のホームズに近いと言われているそうですね。
今作のホームズは武闘派であり、コナン・ドイルの原作のホームズとはかけ離れているといえますが、独自のホームズ像を作り上げていると言って良いと思います。
主演がロバート・ダウニー・jrとジュード・ロウ、タイトルが「シャーロック・ホームズ」副題が「シャドウゲーム」とくれば、内容はともかくジャケ買いしたくなる魅力があります。
第三作目はコロナの影響で撮影が頓挫したそうですが、年齢を重ねた主演二人の活躍を見て見たくなりました。
今日も無事に家に帰って午後ローを見れていることに感謝🤗です。
総合評価☆☆☆☆☆
ストーリー★★★★
流し見許容度★★
午後ロー親和性★★
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