幸福の条件
午後のロードショー大好きなパート主婦です。
今回は午後ロー9月5日放送幸福の条件の感想です。
公開 1993年
監督 エイドリアン・ライン
公開当時 デミ・ムーア(31歳) ロバート・レッドフォード(57歳) ウッディ・ハレルソン(32歳)
「愛は金で買えるか」という重厚なテーマの作品なのですが、現実感のない大人のファンタジーでありどこかレディースコミック感があります。
1億円と引き換えに妻を一晩借すことができるかという、夫婦の愛を試すには非常にわかりやすい設定で、ありそうで無かったストーリーと言えます。
この作品は午後ローでも度々放送される私の好きな映画「運命の女」の監督エイドリアン・ラインが手掛けているのですね。
仲睦まじい夫婦、デヴィットとダイアナは二人の理想の家を建てるため多額のローンをして土地を購入していたが、不況の影響で勤め先も解雇され借金を背負うことになる。
一発逆転を目指しカジノで稼ごうとするも失敗し、全財産を失ってしまう。
そんな二人の前に億万長者のジョン・ケージが現れ、ダイアナと一晩過ごさせてくれたら100万ドル払うという驚くべき提案を二人に持ち掛ける…
「俺にいい考えがある」
デイヴィットは親から借りた5000ドルを元手にカジノで一攫千金を狙う。
デイヴィットは大学で建築を学び、賞をいくつも受賞している一流の設計士らしいのですが、そんな人間が借金を返すためにカジノで賭けなどするでしょうか。
ダイアナも不動産業界で働いており、作品のキーワードとして何度も二人の理想のマイホームや、建築に対する思い入れなどが描かれるのですが、ストーリーには何ら関係しません。
「100万ドルあれば人生をやり直せる。あなたのために行かせて」
ダイアナはお金のためというより、この時すでにジョンに惹かれていたのでしょうね。
ダイアナはジョンの申し出を受け入れ、一晩を共にすることになる。
金持ちの悪ふざけで終わらせないよう、友人の弁護士を呼んで契約書を作らせるのはアメリカ的ですね。
二人は100万ドルを手にするも、信頼関係が崩れ心が離れていく。
一時の遊びで無く、ダイアナを真剣に愛していたジョンは、その後もダイアナにアプローチし続ける。
ダイアナはジョンの真摯な態度に徐々に惹かれていく。
億万長者のジョン・ケージを演じたロバート・レッドフォードは当時57歳なのですが、年齢よりだいぶ老けて見え、おじさんを通り越しておじいちゃん感すらあります。彼はアンチエイジングを怠ってきたのでしょうか。
大物俳優のレッドフォードに忖度したのか、映像にやたらと紗がかかっており、老いをごまかそうとする配慮がみられます。
やたらとイキって現役感を出していますが、プレイボーイと呼ぶにはあまりに男として枯れており、女性と性行為ができるかどうかも怪しいのです。
ダイアナは金だけでなく、ジョンという男への興味を捨てきれず誘いに乗ってしまうのですが、ロバート・レッドフォードがあまりに「シワシワ王子」過ぎて説得力に欠けます。
この役を現在59歳のブラッド・ピッドが演じていたら大分マシだったのではと思ってしまいます。
ジョンはダイアナを想いつつも彼女の真の幸福を願い、デイヴィットの元へと送る。
デイヴィットとダイアナは危機を乗り越え、再び固い絆で結ばれる…
無理やり感動的な結末に持って行った感が否めませんが、これはつまらないですね。
もう少しブラックに振り切っても良かったと思います。
ダイアナはジョンを選んだものの、ジョンは事業に失敗し一文無しとなり、ダイアナは人生の皮肉さを痛感するという展開なら面白かったのではないでしょうか。
あるいはダイアナはどちらも選ばず、新たな人生を一人で歩むといった捻りを効かせても良かったかもしれません。
ウッディ・ハレルソンはクセのある演技派という印象ですが、本作のデイヴィットは妻を寝取られる平凡な男の役であり、彼の強烈な存在感がノイズになっていますね。
この役はもっとクセの無いイケメン俳優で良かったかもしれません。
彼はこの役で最低映画に贈られるゴールデンラズベリー賞の「最低助演男優賞」を受賞しています。
当時のデミ・ムーアは女神のように美しく「100万ドルで一晩買う」の設定に説得力を与えています。
黒髪にキュッとした小顔、巨乳にムッチムチの太腿、どこかエキゾチックでもあり、私は見終わった後彼女の美しさしか印象に残りませんでした。
ジョンがプレゼントする大胆なデザインの黒いイブニングドレスや、船上でのチャイナ服風のドレスがハッとするほど似合っており、彼女を見る映画と言っても過言ではありません。
気に入った女は奪ってでも自分の物にするジョンという男のワイルドさがなければ成立しないお話なのですが、それにしてもいい年をして未だに火遊びから卒業できないジョンにイタさを感じます。
ジョンにダイアナを奪われるデイヴィットが可哀そうという感想が多数ありましたが、私はむしろジョンこそ哀れに思えるのです。
私は一時期話題となった「紀州のドンファン」を思い出してしまいました。
この映画の結論はお金で「愛」は買えても「若さ」だけは絶対に買えない、という事で良いのではないでしょうか。
今日も無事に家に帰って午後ローを見れていることに感謝😌です。
総合評価☆☆☆☆☆
ストーリー ★★
流し見許容度★★★★
午後ロー親和性★★★★★
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