世界侵略:ロサンゼルス決戦

公開 2011年
監督 ジョナサン・リーベスマン
公開当時 アーロン・エッカード(43歳)
襲来する地球外生物を、世界最強の米軍海兵隊が迎え撃つという単純極まるストーリーです。
本作のエイリアンは二足歩行し、戦闘に人類と同じ銃火器を使う点でSF要素は弱く、市街地を舞台にした戦争映画と言った方が良いかもしれません。
「戦争スポ根映画」と呼ぶのがふさわしいほど、人類という弱小チームが仲間との友情や絆を武器に、強豪エイリアンチームに勝利するまでを描いています。

ある日突然、武装したエイリアンが世界各地の主要都市を襲い始める。
人類の存亡をかけた天下分け目の決戦の地に選ばれたのは、ロサンゼルスだった…
地球外生命体との戦闘24時間前。
ナンツ二等軍曹は、軍に除隊届を提出していた。
「兵士にも、賞味期限がある…」
ナンツは実戦で部下4人を戦死させた過去があり、今でも心の傷を引きずっていた。
エイリアン倒幕隊隊長で身重の妻を持つマルティネス少尉、ナンツの指揮下で兄を失ったロケット、婚約者と結婚式目前だったハリスなど、序盤は隊員のバックグランドが描かれ、人間ドラマの群像劇のような展開です。
序盤から後半の泣かせ演出に向けての死亡フラグが立ちまくり、感動と泣かせに持っていこうとする製作者の意図が伺えます。

エイリアンはロサンゼルスの市街地でゲリラ戦を繰り広げ、街を制圧していた。
司令部はエイリアン殲滅のため、民間人の有無にかかわらず、ロサンゼルス全土を空爆することを決定。
空爆開始まで3時間。
「軍は、誰も見捨てない」
ナンツら海兵隊は取り残された民間人を救助し前線基地まで戻ることができるのか
生き残った空軍の女性兵士サントスにナンツは
「戦えるか?」
「お言葉ですが二等軍曹、生き残れたのは美人だからじゃありません…」
緊急事態故か誰も「はい?」と突っ込むことなく、兵士らはエイリアンとの肉弾戦に突入する。
サントス役は女戦士と言えばこの人のミシェル・ロドリゲスで本作でも紅一点でキャラを立たせています。

「彼らの狙いは地球の資源です。 地球を植民地にしようとしているのです…」
「何処を撃てば死ぬか調べるんだ! 銃弾を無駄遣いしないように」
ナンツらはエイリアンの死体を捕獲し、急所を調べる。
「ここを撃てば殺せる。 胸の右側が心臓だ!」
異星人の心臓は右側にあるのですね。

異星人との戦いは熾烈を極め、ナンツらは窮地に追い込まれる。
「少尉、あなたを置き去りにはできない!」
「この手紙を妻に渡してくれ! 行け! これは命令だ!」
マルティネス少尉はナンツらを守るため、手榴弾で自爆する。
本作には暑苦しさを感じるほど、仲間との絆を強調する「泣かせ」演出が頻繁に盛り込まれます。
エイリアンとの戦闘で、小隊は一人、また一人と仲間を失っていく。
「迷いを断ち切って最後まで戦おう! きっと勝てる!」
ナンツらはエイリアンの司令塔に、レーダーで誘導した地対空ミサイルを撃ち込む。
司令塔の崩壊によりエイリアンらは機能停止に陥る…

シンプルなストーリーとスピーディな展開ですが、見た後の余韻は皆無です。
アーロン・エッカード主演作は午後ローでも度々放送されますが、中身スカスカのB級作品が多い印象です。
エイリアンらは何万光年の彼方から地球を目指し飛んでくる技術力があるにも関わらず、戦闘能力は意外にお粗末で、彼らの装備は人類の軍事兵器に毛が生えた程度のものなのです。
「ターミネーターT-800」に「エイリアン」の生物感を足したような既視感満載の風貌で、「プレデター」のようなステルス機能も無く、銃火器から身を守るシールドがあるわけでも無く、攻撃方法も普通のゲリラ戦で知能も人間並みと言えます。
エイリアンの軍事力のレベルは共産圏の仮想敵国を彷彿とさせ、互角に戦わせることで見る者に勝利のカタルシスを感じて欲しかったのでしょう。
アメリカではこの手の「パトリオットムービー」と名付けたくなるような映画が多数制作されていますね。
「米軍万歳映画」はできれば自国のみで公開して欲しいものですが、意外にも国内での興行収入は振るわなかったようです。
今日も無事に家に帰って午後ローを見れていることに感謝😌です。
総合評価☆☆☆☆☆
ストーリー★
流し見許容度★★★★
午後ロー親和性★★★★★
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