ブライド・ウェポン

午後ロー10月9日放送

公開 2014年
監督 ジョン・ストックウェル
公開当時 ジーナ・カラーノ(32歳)


主演のジーナ・カラーノはアメリカ女子総合格闘技のプロ選手のせいか、鋭い眼光に太い首、鋼鉄のような二の腕であたかも女装したセガールのような風貌なのです。

この映画のキャッチコピーは「悪夢のハネムーンで花嫁は野獣と化した!」というもので、彼女の格闘技を見せるのがメインになっており、それ以外のキャラクターやストーリーはあまりにも雑と言わざるを得ません。
ジョン・シナやドウェイン・ジョンソンなど、人気レスラーからアクションスターに転身する例は数多くあり、彼女はその女性版といえますね。

「結婚はビジネスと同じだ。婚前契約書を作った方がいい」
花婿デレクの父親は、花嫁が財産目当てでは無いかと疑っているが、エバを心底愛しているデレクは
「契約書は、必要ない」
と書類を破り捨てる。

ジーナ・カラーノは映画の序盤、新婚ほやほやの新妻の役をしおらしく演じていますが、違和感しかありません。

新婚旅行で訪れたドミニカ共和国で、バカンスを楽しむ二人に、地元の青年マニーが声をかけてきた。
「いいクラブがあるんだけど、一緒にどうだい?」

クラブで楽しむエバに、地元マフィアのボスがちょっかいを出してくる。
地元の男共からするとエバは「フェロモンが駄々洩れてる」そうで、事あるごとに性的な誘いを受けるのです。

エバは地元のチンピラ共をボッコボコに殴り倒し、夫デレクを連れてクラブから逃げる。
デレクは自分の嫁がここまで最強な事を、知った上で結婚したのでしょうか。

マニーは地元の有名なアトラクション、通称「未亡人製造機」と呼ばれるスリル満点のジップラインに二人を誘う。
デレクはジップラインから転落、救急車で運ばれるも、搬送先の病院にはおらず、行方不明となる。

異国の地での、エバの必死の捜索が始まる…

防犯カメラの目線の映像やドキュメンタリーのような揺れる画面など、映画の中盤は緊張感がありサスペンス要素を感じる事ができます。

島の青年マニーは、夫婦をクラブへ案内したり、ジップラインを勧めたりと、どう考えてもトラブルの原因を作っており、彼が何のためにそんな事をしたのかは語られず、ストーリーを展開させるためだけの雑なキャラクター設定と言えます。

「悪党を全員殺せば、ぐっすり眠れる…」
泣きじゃくりながらも物騒な事を呟くエバ。
エバはマフィアの下っ端を捕らえて拷問を加え、ボスの居所を吐かせたりと、セガールも顔負けの無双っぷりを見せるのです。

なんとデレクは、多発性骨髄腫を患うマフィアのボスと骨髄のDNA型がたまたま一致したことから、髄液を採取するために拉致監禁されていた。
身代金や臓器売買のため観光客を片っ端から誘拐するなどあまりに無謀で、この辺は脚本の雑さが際立っています。

「とんだ鬼嫁だな」
エバはボスとの肉弾戦に勝利、マニーの用意したボートでドミニカ共和を後にする…

本作のエバは「エージェント・マロリー」のような特殊工作員では無く、父親から格闘技の英才教育を受けただけの普通の女性という設定で、なぜここまで最強なのかを説明する材料が不足しているといえます。

この映画の主題は「愛する者を守るためにどこまで戦う事が出来るか」というものだそうで、エバはデレクを救出するため親でもできないほどの勇気ある行動を見せており、夫のデレクは婚前契約などしなくて大正解、彼はこの嫁に一生頭が上がらないでしょうね。

今日も無事に家に帰って午後ローを見れていることに感謝😌です。

総合評価☆☆☆☆☆
ストーリー★
流し見許容度★★★★★
午後ロー親和性★★★★★