ハンナ

2022年9月14日2024年9月26日

午後のロードショー大好きなパート主婦です。
今回は午後ロー９月２６日放送ハンナの感想です。
公開　２０１１年
監督　ジョー・ライト
公開当時　シアーシャ・ローナン１７歳　　エリック・バナ４３歳　　ケイト・ブランシェット４２歳

殺人兵器として育てられた孤独な少女が、出生の秘密ゆえにCIAから追われる身となる。母を殺した憎き敵CIAエージェントのマリッサに復讐を果たすため、また自らの出生の秘密を解き明かすための少女の戦いを描くロードムービー。

「あずみ」や「キック・アス」など、美少女が超人的な身体能力で敵をなぎ倒していく様はなぜこんなにも見る者を惹きつけるのでしょうか。
無垢な少女が戦いとなるや一変、血も涙も無く敵を殺していくギャップが萌えポイントなのでしょうね。

フィンランドの山奥の電気も通っていない小さな小屋で、父親としか関係を持たず無菌状態で育てられた無垢な少女ハンナ。

当時１７歳のシアーシャ・ローナンの美しさは二次元レベルで、彼女の可愛さとこの設定だけで萌え死にしそうになった人も多いのではないでしょうか。

前半のハンナが父親から教えらえたサバイバル能力をいかんなく発揮し、CIA施設から脱出するシーンは映画の一番の見せ場ですね。

大人の勝手な策略で殺人兵器に育てられてしまった少女の悲哀…
ハンナは軍事利用のため出生時にDNA操作を受け、常人ならざる戦闘能力を持つ実験体だった。

ハンナはキャンピングカーで旅をする家族と出会い、同年代の少女ソフィーらと束の間普通の少女としての時を過ごす。

自らのDNA配列が記されたレポート見ながらソフィーに「これが何だかわからないの。でも私に関する何かよ」ハンナはソフィーに友情の証として口付けをする。
父親としか接触していないため、同年代の友人との距離感が掴めないのも見ていてキュンとなります。

CIA施設から逃げ出したハンナにはマリッサが差し向けた追手が迫っていた。
手段を選ばない残忍な殺し屋アイザックは、ハンナが行く先々で接触した者たちを次々と惨殺していく。

関わったものが追手によって次々と非業の死を遂げる…
「あずみ」でも周囲の人間が残忍に殺される場面が多いですが、サディスティックな殺し屋と言うのは美少女戦士ものに欠かせないエッセンスですね。
父親役のエリック・バナは、ハンナやマリッサをはじめ他の登場人物があまりにクセが強いため存在感が埋もれてしまっていますね。
ハンナの本当の父親なのか、ハンナの出生の謎、マリッサとの関係性など深く語られておらず、消化不良な感じが残ります。
ケイト・ブランシェットは上品で美しい外見の内面に、爆発しそうな感情といら立ちを秘めたマリッサを迫力満点に演じていました。
鬼の形相で鏡を見ながら歯石を取る姿は背筋が凍るほどです。
ラストでハンナと対決するラスボスにふさわしい存在感ですね。
シアーシャ・ローナンの透けるような白い肌と吸い込まれそうなブルーの瞳や美しい金髪は、常人離れしたハンナの役にぴったりですね。
アクションのキレも素晴らしく、彼女自身の身体能力の高さを感じます。

彼女を初めて見たのは「ラブリー・ボーン」で、不運にも連続幼児殺人犯に殺されてしまう少女の役を演じていました。死後もあの世から両親へメッセージを発し続ける健気さが悲しく、この「ハンナ」よりもずっと余韻が残る映画です。
美少女の役でデビューした女優は大人になってから行き詰まるパターンが多いのですが、彼女は「レディ・バード」や「アンモナイトの目覚め」など、ますます演技派としての地位を確立しているように思います。

ハリウッド映画にも関わらずどこかヨーロッパ的な、抒情的な雰囲気のあるアクションスリラーといった印象です。
バックに流れるテクノミュージックもキレがありながらもどこか哀愁があり、拠り所の無いハンナの心情を表しているようです。

ラストの戦いの舞台となるベルリンの「グリムの森」は実在する商業施設なのでしょうか。
狼が大きく口を開けた造形をしているトンネルや「グリムの家」など、どこか禍々しく見る者を不安にさせますね。
この映画はアマゾンプライムでドラマ化されており「ハンナ～殺人兵器になった少女」としてシーズン３まで制作されているのですね。
主演をエスメ・クリード＝マイルズが演じていますが、やはり当時のシアーシャ・ローナンの透明感のある美しさには及びません。

突然ブチっと切れるように終わるラストシーンは賛否両論あるでしょうが、その後のハンナの行く末を見る者の想像に委ねる部分があります。