元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件
午後ロー8月21日放送
公開 2020年
監督 ミカエル・マルシメーン
公開当時 アリソン・ウィリアムズ(32歳)
クセのある邦題に惹かれてつい見てしまったという人も多いのではないでしょうか。
原題の「HorizonLine (水平線)」だったら間違いなくスルーされる率が高い作品で、まさに邦題を考えた配給会社の「技あり」といったところです。
意外だったのは先日午後ローでも放送された「ザ・マウンテン 決死のサバイバル21日間」のような、ヘリが墜落してジャングルに不時着した二人が丁々発止にやりあいながらサバイバルする内容かと思いきや、パイロットが急死した後、墜落を免れるため二人で必死でヘリを操縦するという内容でした。
友人の結婚式で訪れた南国で再開してしまった元恋人のサラとジャクソン。
ノリで一夜を共にしてしまった二人は結婚式に参加するためヘリに同乗するもパイロットが急死、二人でヘリを操縦する羽目に陥る…
映画の序盤、かなりの尺をとってサラとジャクソンが一度別れた後再開し、その場のノリで一夜を共にし寄りを戻しかける展開が描かれます。
パイロットが心臓発作で急死したあと二人で協力してヘリを操縦するのですが、二人は過去のわだかまりなど吹っ飛んだかのように何ら問題なく助け合っており、「元カレ」になるまでのエピソードは必要なかったかもしれません。
ヒロインのサラは「別れを言うのがつらい」という身勝手な理由で恋人を置きざりにして去ったくせに、友人の結婚式で再開するやしつこく付きまとい、成り行きというよりは意図的に一夜を共にしたあとまた勝手に去るという、自己中心的な女性で好感が持てず感情移入できませんでした。
サラは素人ながら操縦の経験があり、ジャクソンは現地のビーチハウスで働いているためか計器をの読み方や無線での通信の心得があり、二人がサバイバル慣れしてるためパニック感に乏しく緊張感に欠けた展開だったといえます。
これだけのパニック状態にもなれば顔は汗でギトギト、目はアドレナリン全開でギラギラになって当然だと思いますが、二人とも通常モードに近く落ち着いており、映画の大半がヘリの機内のためか画だけ見ると普通の乗用車の中にいるのと何ら変わりないのです。
これは二人の演技力不足というよりは演出の問題だと思います。
燃料のタンクが破損、燃費を上げるため機体を軽くしなければならない。
座席やトランクを海に捨てた後、
「他に何か捨てるものはあるかしら…」
「ごめんなさい…」二人は一瞬躊躇するものの、死亡したパイロットを海に投げ捨てる。
その後、ラム酒を機体の燃料にする展開があるのですがラム酒のケースを人間より先に捨てるべきなのではと思ってしまいました。
「君ならできる!」
「やればできる!」
の魔法の言葉で、サラは高度6000メートルの暴風の中、ヘリの翼に乗り給油口にラム酒の瓶を直接突っ込んで給油するという空軍特殊部隊でも不可能に近い離れ業を披露するのです。
二人がアクロバティックな作業をするシーンが何度かありますが、ブルースクリーンを使ってスタジオで撮影しているのが丸出しで、スリルや緊張感をまったく感じませんでした。
ヘリが海に不時着したあと、ちらっとサメの姿が映り、ここから先はサメとの攻防かと思わせるのですが、匂わせのみでその後すぐに都合よく救助の船が現れます。
救助の船に乗り込む前に一瞬不穏な空気が流れ、これは二人の幻覚なのでは「オープン・ウォーター」と「海底47m」のオチの合わせ技ではと思ってしまいましたが、結局二人はなんら問題なく救助されるのです。
ともかく、この二人は友人の結婚式をぶち壊したことは間違いないですね。
サラを演じたアリソン・ウィリアムズは「ゲットアウト」や「ミーガン」などに出演しており、鋭い眼光にたくましいケツ顎、インパクト大のクセのあるルックスでホラー映画映えする女優ですね。
高度6000メートルでのサバイバルが本作の見どころなのでしょうが、二人のパニックや絶望感を今一つ感じることができずストーリーに乗れませんでした。
序盤の「元カレ」エピソードに尺を取るより、終盤サメとの攻防を入れたほうが映画としては面白かったかもしれません。
当初「元カレとセスナに乗ったらパイロットが死んじゃった話」という邦題に決定していたものの、製作者側からのクレームで変更になったそうです。
低予算ながら日本ではそこそこの興行収入をあげており、今後邦題をイジる手法は増えそうですね。
今日も無事に家に帰って午後ローを見れていることに感謝😌です。
総合評価☆☆☆☆☆
ストーリー★★
流し見許容度★★★
午後ロー親和性★★
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