光る眼

2022年6月15日2023年4月23日

午後のロードショー大好きなパート主婦です。
今回は午後ロー６月１３日放送光る眼の感想です。

公開　１９９５年
監督　ジョン・カーペンター
出演　クリストファー・リーブ　リンダ・コズラウスキー　マーク・ハミル　カースティ・アレイ

ある日、町の人間全員が同時に気を失い、目を覚ますと、町の女性全員が妊娠しているという奇妙な事件が起こる。その女性たちから生まれた子供たちは、成長すると不気味な光る眼で大人たちの精神を操り、邪魔するものを容赦なく排除していくのだった…

１９６０年に公開されたイギリス映画「未知空間の恐怖/光る眼」のリメイクなのですね。

当時は充分センセーショナルだったのでしょうが、１９９５年にリメイクするには、ホラーという点では物足りなかったかもしれません。

１９６０年版は白黒の映像なのですが、こちらの方が伊藤潤二のホラー漫画を思わせる映像で恐怖を感じます。

この映画に登場する子供たちは感情を持たず、早くから大人顔負けの知識を持ち、親を突き放すのです。子供らしさを持たない子供を恐ろしく感じるのは、子供は皆、純粋で弱く、大人に甘えるものだという認識を揺るがされるからですね。
生まれた時から不思議な能力を持ち、周りの大人を次々と殺害していく「オーメン」の悪魔の子、ダミアンを連想してしまいます。

町の人々が全員同じ時刻に意識を失い、覚醒後、なぜか町の女性全員が妊娠している…

異常な状況下での妊娠にもかかわらず、ほとんどの女性が生むことを選択するのです。

同じ日に揃って妊娠した女性たちは、もちろん同じ日に出産、医師も助産師も総出で何十人もの分娩を同時に行うという凄まじい光景が繰り広げられます。

生まれた子供はなぜか皆、兄弟のように似たDNAを持ち、心を読んだり未来を予見する特殊能力を持っているのです。
不思議な事に、生まれながらにパートナーが決まっており、物心ついた時からペアで行動するようになるのです。

国はこの奇異な現象を調査すべく、生まれた子供たちを経過観察させることを条件に、出産費用と養育費を負担することを提示するのです。
国から派遣された調査員バーナー博士は子供たちの観察に積極的、それはやはり特殊能力をもつ子供たちの軍事利用を見据えてのことなのです。

生まれた時から何らかの使命を持ち、大人を拒絶して、仲間だけで通じ合う子供たち…
自分たちに危害を加えとようとする大人を、超能力で次々と死に追いやるのです。

パートナーを死産で失ってしまったデイヴィットだけは、他の子供と異なり、人間的な感情を持っているのです。
自分と対になるパートナーが欠けた事によって、隙間を埋める何かを欲する気持ちが生まれたのでしょうか。

バーナー博士がひそかに持ち去り研究材料として保存されていた子供の姿を見る限り、やはり女性たちを妊娠させたのは何らかの目的を持った地球外生命体と解釈してよさそうですね。

子供たちの目が光る、それを見た大人が自殺行為に走る…　の繰り返しで、後半は少し飽きてしまいました。

ラストは「スーパーマン」のクリストファー・リーブ演じるアラン医師が時限爆弾を持って、子供たちのいる納屋に乗り込み捨て身の肉弾戦を挑むのですが、トランクの中身が爆弾であることを悟られまいと必死に心に壁を作って思考をブロックするのです。
状況を考えれば鞄の中身が危険物であることはわかりそうなものですが、そこはやはり宇宙人とはいえ子供ですね。