ほんとうのピノッキオ
午後のロードショー大好きなパート主婦です。
今回は午後ローではありませんが最近見た映画ほんとうのピノッキオの感想です。
公開 2019年
監督 マッテオ・ガローネ
出演 ロベルト・ベニーニ フェデリコ・エラピ
ピノッキオは子供の頃母が買ってくれた「少年少女世界の文学」で読んだのが最初の出会いでしたが、まさにダークファンタジーという感じで面白いけど怖い話という印象でした。
ディズニー映画のピノッキオしか知らない子供が多いと思いますが、私は子供の頃からこれは本当のピノッキオのお話ではない!といつも思っていました。
木から生まれたばかりのピノッキオはおおよその子供がそうであるように、いたずらっ子でわがままで自由奔放 でもその心は純粋で汚れなく優しさにあふれているのです。
ジョルダンより引用
物言うコオロギが「親のいう事を聞かない子は絶対に幸せにはなれないぞ!」「やっぱり木の脳みそだ!」と自由奔放なピノッキオを戒めますが、ジェペットおじさんがお父さんならこのコオロギは母親のような立ち位置でしようか。
SPICE – エンタメ特化型情報メディア スパイスより引用
この映画の中のコオロギは緑色の赤ちゃんのようでとても可愛いですね。
私は子供の頃、この物言うコオロギを心の中に飼って常に自らを律しようと思ったものです。現実はそうもいかないのですが…。
純真な主人公がキテレツな登場人物たちに翻弄されるお話としては「不思議の国のアリス」に通じるところがありますが、決定的に違うのは全編通してジェペットのピノッキオに対する愛が貫かれている所ではないかと思います。
ジェペットお父さんが寒い冬に自分の上着まで売ってピノッキオのために教科書を手に入れようとするところなど、親の愛情というのは本当に尊いものですね。
親の心子しらずとはこのことで人形劇見たさに教科書を簡単手放してしまうところなど、純粋がゆえの思慮浅さをはがゆく思いながら見ていました。
自由奔放でわがままでジェペットお父さんを困らせるピノッキオですが、子供に反抗期があるようにひとつの通過儀礼なのでしょうね。
純粋さゆえに他人を簡単に信用してしまいネコとキツネにだまされて金貨を盗られてしまったり、だまされておもちゃの国に連れていかれロバにされてしまったりと見ているこっちがはらはらしてしまうほど危なっかしいピノッキオですが、かわいい子には旅をさせよと言うように子供は外の世界で多種多様な人々と触れ合うことで成長していくものだったなと改めて気付かされます。
原作では青い妖精の召使のカタツムリが屋敷の5階から1階まで12時間かかって降りてくる描写で「たったの12時間しかかかりませんでした!」とあるのですがカタツムリにしてみれば猛ダッシュだったのでしょうね。
ジョルダン映画の時間より引用
原作ではこういう小技が効いたかわいい場面がふんだんに盛り込まれていて、子供でも最後まで飽きずに読める工夫がされていました。
くしゃみをする度に涙もろくなるサーカス団の親方、あべこべの国の老害気味のサルの裁判官、ヤブ医者のフクロウなどとんちんかんで毒々しくてでもどこか憎めないユーモラスなキャラクターが続々と登場しますが、これらは大人社会の不条理を描いているのではないでしょうか。
この作品に登場するキツネやネコのようにずる賢く他人をだます人間は一時徳をしたように見えてもまわりまわって最後には怠けた分のツケを払わされることになり、真面目に一生懸命働くことの尊さ、結局はそれが幸せへの一番の近道なのだという事を楽しみながら教えてくれます。
随所に大人になった今見ても胸に刺さる教訓が散りばめられており、子供にとっては楽しみながら人間としての道徳を学べる作品ですね。
通過儀礼を終えたピノッキオはジェペットお父さんと素直に向き合い今度は自らがお父さんを守ろうとします。昼間働きながら夜はお父さんの看病と勉強、人間の子でもこんな良い子はなかなかいませんよね。
エンドロールで登場人物が丁寧に紹介されますが、ロベルト・ベニーニをはじめイタリアはオペラの国だけあって名優の宝庫ですね。
それにしてもイタリア語のなんと心地よく美しい事! 鈴を転がすような発音といい映画を見終わった後で本気でイタリア語を習いたくなりました。
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