悪の法則

2024年6月21日


午後のロードショー大好きなパート主婦です。
今回は午後ロー10月18日放送悪の法則の感想です。
Amazon.co.jp | 悪の法則 [レンタル落ち] DVD・ブルーレイ公開 2013年
監督 リドリー・スコット
公開当時 マイケル・ファスペンダー(36歳) キャメロン・ディアス(41歳) ブラッド・ピッド(50歳) ハビエル・パルデム(44歳) ペネロペ・クルス(39歳)

全編に渡って禅問答のような含蓄のある意味深なセリフのオンパレードで、素直に娯楽として楽しむ作品で無いことは確かです。
好き嫌いがはっきり分かれる映画ですね。

背後に流れるラテン系の音楽も不穏な空気を感じさせ、ストーリーそのものよりも、雰囲気で見せる作品と言えます。
哲学的なセリフの応酬で煙に巻かれてしまいそうですが、簡単に言えば、なにやらメキシコの麻薬カルテルの怒りに触れてしまった登場人物が、エグい制裁を受けるお話のようです。

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婚約者との結婚を決意した弁護士が、ふとした出来心から良からぬビジネスに手を出してしまうもトラブルが発生。
犯罪組織に裏切りの疑いをかけられた彼は、すべてを奪われ追い詰められていく。

序盤のライナーとマルキナの会話
「冷たすぎないか?」
「真実に温度なんて無いわ」
本作は登場人物の会話劇とも言えるのですが、まったく噛み合わない禅問答のようなセリフが延々と続き、私のような映画偏差値の低い人間は感情移入出来ません。

主人公には役名が無くただ「カウンセラー(弁護士)」となっています。

「カウンセラー」は小金欲しさに危険を承知で危ない麻薬ビジネスに手を出すのですが、ライナーやウェストリーとの含蓄のある会話からは、何をどう関わっているのかはっきりせず、黒幕の麻薬カルテルの存も劇中では「奴ら」「組織」などの曖昧な言葉でしか語られません。

「カウンセラー」は裁判所の任命で、公選弁護人として殺人容疑で逮捕された女性ルースの弁護をしているのですが、彼ほど有能な弁護士が、ほとんど報酬が見込めない貧困層の女性の弁護をすることなどあるのでしょうか。
アメリカの司法制度はよくわかりませんが、裁判所の任命で「公選弁護人」に指定されたら必ず引き受けなければいけないものなのか…

結局彼は、ルースの弁護を引き受けたことが原因で事件に巻き込まれるのですが、設定が腑に落ちず、序盤からストーリーに入っていけませんでした。
悪の法則 : 作品情報 - 映画.comウェストリーに「半端な覚悟で麻薬取引に手を出さない方がいい」とあれだけ忠告されたのに、いざ「組織」に狙われる状況になると泣きが入るなど、あまりに無謀で慎重さに欠ける気がします。

結局マルキナが裏で皆を操っており、彼女は麻薬の横流しで得た資金をダイヤに変えて海外に逃亡するのですが、私が「組織」のボスだったら真っ先にマルキナを疑うでしょうね。
span itemprop="headline">映画「悪の法則」(2013)ペネロペ・クルス、キャメロン・ディアス、ブラット・ピットなど出演。</span> - fpdの映画スクラップ貼「フェラーリとファッ〇したいわ」

マルキナが両脚を180度全開してフェラーリにまたがるシーンは、当時映画のCМでも使われていました。
監督のリドリー・スコットは、このシーンを「氷の微笑」のシャロン・ストーンが脚を組み替える場面のような名シーンにしたかったのかもしれませんが、実際にはまったく話題にはならず「スベって」いると言えますね。
ここまでくるとセクシーというよりはアホくさく、天下のキャメロン・ディアスにこんなことをさせるなんてセンスが無いな~と思ってしまいます。
トーキョー女子映画部/TJE Selection イイ男セレクション ハビエル・バルデム「ノー・カントリー」「マザー」など底の知れない闇を抱えた曲者の役ばかりを演じてきたハビエル・バルデムとってににとって、おそらくこのライナーの役は彼の演じてきた役の中で一番人間的と言えるのではないでしょうか。
マルキナに恐ろしさを感じながらも、惚れた弱みで手玉にとられてしまう憎めないおっさんを演じていました。ペネロペ・クルスは現在の妻なのですね。

The Counselor (2013) : 悪の法則 | 100BradPitt.com

50歳にしてブラッド・ピッドこの「キラキラ感」は尋常ではありません。
テンガロンハットにカウボーイのような派手な衣装でロン毛をかきあげからの、シュッとしたスーツにサングラス姿にはキュンとしていまいます。
ラストは「ボリート」で白昼堂々、公衆の面前で処刑される悲惨な最期を遂げます。
「ボリート」は徐々にワイヤーが締まり最後は首を切断するという処刑器具で、死に至るまでの時間が長くまさにドSなアイテムですね。
ファスベンダーとペネロペの絡みが濃厚すぎる「悪の法則」冒頭10分が解禁! : 映画ニュース - 映画.comマルキナは背中に豹の刺青、歯には銀歯がギラリと光るインパクト満点のルックスで、本作はキャメロン・ディアスを見る映画と言っても過言ではありません。
「チャーリーズ・エンジェル」のような天真爛漫なキャラから本作のような悪女まで自在に演じられる彼女の演技の振り幅の広さを感じてしまいます。
劇中の衣装はすべて専任のデザイナーが彼女のために制作しており、女性らしさと野性味が共存した謎めいたマルキナのキャラクターを引き立てています。

キャメロン・ディアスとペネロペ・クルスは「バニラ・スカイ」以来12年ぶりの共演なのですね。
大人の女の色気と人間味が増し、良い感じに年齢を重ねています。

登場人物が人間的な感情の動きを無視した行動を取るため、誰一人共感できる者はおらず、豪華なキャストをひたすら鑑賞するだけの作品です。

哲学的な言葉で深みを出そうとしているものの、結局は麻薬カルテルのおこぼれにあずかろうとする悪党共のドタバタ劇なのですが、これだけの豪華キャストが出演となれば内容はともかく最後まで見てしまう魅力がありますね。

婚約者にイイ顔をしたい男が、ヤバい商売に手を出して破滅するというよくあるお話です。
「原因と結果」「因果応報」など、意味深な言葉で回りくどく語っていますが、最終的に「素人がヤバい仕事に手を出してはいけない」という教訓を語りたかったのでしょうか。

映画を楽しむ一般大衆としては、ハリウッドの大先生に上から目線で御高説をたれられたような面白く無さがありますね。

今日も無事に家に帰って午後ローを見れていることに感謝😌です。

総合評価☆☆☆☆☆
ストーリー★★
流し見許容度★★★
午後ロー親和性★★