マイ・ボディガード
午後のロードショー大好きなパート主婦です。
今回は午後ロー11月11日放送マイ・ボディガードの感想です。
公開 2004年
監督 トニー・スコット
公開当時 デンゼル・ワシントン49歳 ダコタ・ファニング10歳
映画の前半はボディガードと少女の心温まる交流、後半は血なまぐさい殺戮劇です。
タイトルの「マイ・ボディガード」から想像するに、誘拐された少女のためにあらゆる手段を講じ命がけで少女を救おうとするハートウォーミングなお話かと思いきや、バイオレンスに重点が置かれている感があります。
原題は「Man on Fire(燃える男)」であり邦題の「マイ・ボディガード」は日本人ウケを狙ったのでしょうね。
元軍人のクリーシーは、メキシコの友人からラモス財閥の一人娘の護衛の仕事を紹介される。
クリーシーは財閥の一人娘ピタの護衛を引き受ける。
「メキシコで4日間で24人が誘拐されたわ。1日6人よ。どう思う?」
世界有数の犯罪多発地帯メキシコシティの現実…
「仕事中は話しかけないでくれ」
他者と関わることが苦手なクリーシーは、ピタと距離を置こうとする。
ピタを演じたダコタ・ファニングは、存在感の上ではデンゼル・ワシントンを遥かに上回っていると言えます。
ピタの水泳の個人指導をしたことがきっかけで、二人は徐々に心を通わせていく。
ある日、ピアノレッスンを終え、建物から出てきたピタは不審者に誘拐され、クリーシーはピタを守ろうとするも銃撃に合い重傷を負う。
ピタは犯罪集団「エルマンダ」に身代金目的で誘拐された。
自らも重傷を負ったクリーシーは、病床の中ピタが殺害されたという情報を聞く。
そこから先は、復讐の鬼と化したクリーシーが、犯罪組織やそれに加担した警察を一人ひとり血祭りにあげていく殺戮劇になります。
そもそも、ほんの数週間前に会ったばかりの少女を誘拐した者に対し、そこまでの復讐心を持つという設定にも違和感を感じてしまいます。
関係者を一人ずつ尋問し、ピタを誘拐した真犯人を追求するクリーシー。
その尋問の方法が目を覆いたくなるほど残忍かつ陰湿なのです。
ハンドルに手を縛りつけ指を一本ずつ切断、肛門に爆薬を挿入して爆発させる、掌を拳銃で撃ちぬくなど、必要以上に過激な暴行を加えているように見えるのです。
ついにピタを誘拐した犯罪組織の黒幕サンチェスとコンタクトを取ることに成功する。
が、意外な事にサンチェスは、ピタの生存をほのめかす。
「復讐」の名の元、自身の中に眠る残虐性を思うままに開放したようにも見えるクリーシーなのですが、ピタの生存を知ったことで残虐性を発散する矛先を失い、拍子抜けしているようにすら見えるのです。
サンチェスはピタを解放する代わりに「命と命の交換」を申し出る。
それはなんと、ピタの命とクリーシーの命の交換だった。
一介のボディガードと財閥の一人娘との命の取引はいささか唐突であり、違和感を感じてしまいますが、ラストに向け無理やり感動に持っていきたい製作者の意図を感じます。
サンチェスの申し出を承諾するクリーシー。
泣きじゃくるピタに別れを告げ、ピタは無事に家族の元へ、引き換えにクリーシーは敵の一味に連行される。
すでに重傷を負っていたクリーシーは、車の中でそっと息を引き取る…
本編は146分と長尺であり、午後ローではカットされている部分も多いのでしょうが、序盤であれほどそっけなかったクリーシーとピタの心の距離の縮まり具合が急で、説得力に欠ける部分があります。
クリーシーはピタのため自己犠牲を貫き静かに死んでいったというオチなのですが、これまでの彼の非人間的な暴行を振り返ると少しも哀れに思えないのです。
デンゼル・ワシントンは今作や「イコライザー」の無敵の殺人マシーン役など、知的で優しそうな風貌に似合わない暴力的な役を演じる事が多いですね。
ルックスやスター性は申し分ないものの、演技の振り幅は狭い印象です。
「イコライザー」でも感じたのですが、彼のキレの無いアクションや締まりのない肉体からは、無敵の殺人マシーンである説得力が不足しているのです。
不器用で根は優しく、かつターゲットには無差別に残忍な暴行を加える二面性のある男を演じきれておらず、キャラクターの輪郭をぼやけさせていると言えます。
おそらく彼の中でも、このクリーシーのキャラクターが消化できてなかったのではないでしょうか。
この映画は結局、天才女優ダコタ・ファニングを見る映画ですね。
世界有数の犯罪多発都市メキシコシティで子供時代を過ごすことになった少女の、あきらめと覚悟を秘めた美しさ、修羅の現実が彼女のガラスのようにもろく儚い美しさを引き立てているように思います。
まさに天才子役の看板に偽りなし!ですね。
彼女に比べ、デンゼル・ワシントンの役作りの薄っぺらな事といったら…
2023年にデンゼル・ワシントンとダコタ・ファニング共演の「イコライザー3」が公開されるそうですね。
またもや無敵の殺人マシーンを演じるであろう公開時68歳のデンゼル・ワシントンはともかく、28歳になったダコタ・ファニングがどんな演技を見せるのか期待してしまいます。
ふと思ったのですが、この程度の内容ならわざわざ「演技派」のデンゼル・ワシントンを引っ張り出さなくても、我らがセガールで十分だったと思うのです。
セガールとダコタ・ファニング共演の「沈黙のボディーガード」を見てみたかったものです。
今日も無事に家に帰って午後ローを見れていることに感謝😌です。
総合評価☆☆☆☆☆
ストーリー★
流し見許容度★★★
午後ロー親和性★★★★★
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