リプリー

2023年4月26日



午後のロードショー大好きなパート主婦です。
今回は午後ロー4月25日放送のリプリーの感想です。
Amazon.co.jp: リプリー (吹替版)を観る | Prime Video公開  1999年
監督  アンソニー・ミンゲラ
公開当時 マット・デイモン28歳 ジュード・ロウ26歳 グウィネス・パルトロウ26歳

私のようないじけた人間は何度見てもマット・デイモン演じるトムのキャラクターにガッツリと感情移入してしまいます。

ピアノの調律師をしながら貧しい生活を送るトム・リプリーは、あるパーティーで知り合った富豪からイタリアで放蕩三昧の息子を連れ戻してほしいと頼まれる。トムは大学時代の友人と偽りディッキーに近ずくが次第に彼の魅力に惹かれていく。ディッキーに冷たくあしらわれたトムはある行動を起こし、その果てに彼の人生を盗もうと画策する…

この映画は公開当時映画館に見に行き、地上波でも何度も見ているのですが、結末を知っていても最後まで真剣に見てしまいます。
物語の顛末云々よりも映画自体のクオリティが高いのでしょうね。

貧しくて孤独な青年トムは、ディッキーの父親から声を掛けられた時、これを千載一遇のチャンスと囁く悪魔の声を聞いたのでしょうか。
とっさにディッキーの友人だと嘘をつくのです。リプリー』 何でリプリーを憎めないのか。 ネタバレ映画レビューブログ | Cinemovie.配信映画ブログマット・デイモンは「ボーン・アイデンティティ」などのクールな役より、陰キャでオタクっぽい役が断然ハマっていますね。
イケメン過ぎない、ややジミー大西を思わせるルックスもストーリーに説得力を与えています。

ディッキーをアメリカに連れ戻すため、同級生のふりをして彼に接近するトム。
親からの仕送りで、イタリアで美しい恋人と共に優雅に暮らすディッキーはトムでなくても人生を盗みたくなりますよね。
貧しいトムからすればまさに親ガチャ、有り余る幸運に恵まれているのです

リプリー』 何でリプリーを憎めないのか。 ネタバレ映画レビューブログ | Cinemovie.配信映画ブログ

ジュード・ロウを演じるディッキーは、移り気でわがまま、自己中心的なところも金持ちのドラ息子らしさが出ています。
周囲の人間ををさんざん振り回しておいてまったく罪の意識無し、でも不思議と人を引き付ける魅力があるのです。

自分とは階層の違う一風変わったトムを気に入り、イタリアで行動を共にするディッキーですが、最初の物珍しさが薄れるととたんにトムに冷たくなるのです。所詮は自分とは違う世界の人間、ということでしょうか。
一方、豪華で贅沢なバカンスをディッキーと共に過ごしたトムは、そのライフスタイルにも彼自身にも憧れを抱くようになるのです。
ディッキーから暴言を吐かれたトムは、衝動的にディッキーを殴り殺してしまうのです。

リプリー||洋画専門チャンネル ザ・シネマ

ディッキーを愛していたトムは、ディッキーの人生を盗むというよりディッキーと一体化したがっているように見えるのです。

トムの暮らす半地下のアパートと、ディッキーの輝く美しさやイタリアの風景が光と影のようなコントラスト生み、交わるはずの無い二人が出会ってしまった事による不協和音を奏で、悲劇が始まるのです。

グウィネス・パルトロウ演じるマギーは、自分勝手で傲慢、浮気性のディッキーを優しく見守る大人の女性ですね。ニューヨークの喧騒を嫌い、イタリアで小説家を目指す彼女もまた富裕層の令嬢なのです。
リプリー』 何でリプリーを憎めないのか。 ネタバレ映画レビューブログ | Cinemovie.配信映画ブログ「ディッキーは太陽のような人。あなたの上で明るく輝いてくれるけど、飽きると冷たく曇ってしまう。」
彼女自身もさんざんディッキーに振り回されているだけあって、彼をよく理解しているのですね。

オペラ座やホテル、カフェなどでやたらと仲間がばったり出会うシーンがたびたび登場しますが、これは都合の良い偶然というよりも、富裕層の世界は狭く、海外旅行でも行く先が限定されているためですね。トムはディッキーになりすますのですが、富裕層の世界がこれほど狭いとは計算外だったのではないでしょうか。
イタリアで紡績会社の令嬢メレディスに会った時に、自分がグリーンリーフ家の息子ディッキーだと嘘をつかなければ、事件は完全犯罪、トムの勝利だったかもしれません。
トムに最初からディッキーになりすます計画などあろうはずも無く、つい自らの願望が口を付いて出たのでしょうか。あるいは美しいメレディスの前でつい見栄を張ってみたかったのかもしれませんね。
結果的にはこの嘘がトムを追い詰めることになるのです。太陽がいっぱい: MIEKO SASAKI BLOGトムは恋人のピーターに「注目される人間になりたかった。つまらない自分は嫌だ。」と泣き崩れるのですが、ピーターは「君は君のままでいいじゃないか」…。
トムは「本当の僕を知らないだろう」と言いたかったのかもしれません。
リプリー」 魔法がとけるとき | 映画キロクトムはさらに絶望的な暗闇へと進んで行くのです。

ディッキーの出身校、プリンストン大学とは日本で言うところの慶応大学のようなものなのでしょうか。良家の子女が多いイメージですね。
ディッキーを見て私は銀幕のスター石原裕次郎を思い出してしましました。
石原裕次郎/南国の夜慶応大学出身で恵まれたルックス、海を愛するヨットマンであり遊び人、でも人を引きつける不思議な魅力がある…
兄の石原慎太郎氏は、誰からも愛される彼に嫉妬していたこともあったそうです。

追い詰められたトムのその後が気になりますが、なんと「リプリーズ・ゲーム」のタイトルで続編が製作されているのですね。
主演のトムをジョン・マルコヴィッチが演じており、今後ぜひとも見てみたい作品のひとつです。

今日も無事に家に帰って午後ローを見れていることに感謝😌です。

総合評価★★★★★
ストーリー★★★★★
午後ロー親和性★★★
流し見許容度★
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画像引用元
石原裕次郎/南国の夜 
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