沈黙の断崖

2022年4月21日2023年4月28日

午後のロードショー大好きなパート主婦です。
今回は午後ロー４月１９日放送の沈黙の断崖の感想です。
公開　　　１９９７年
監督　　　フェリックス・エンリケス・アルカラ
公開当時　スティーブン・セガール４５歳

生ける環境破壊とも言えるセガールなのですが、なんと今回の役は環境保護庁の調査官なのです。

セガール演じる環境保護庁の調査員ジャック・タガードは田舎町で有毒な環境廃棄物の不法投棄を調査するうちに、裏側にうごめく巨大な陰謀に気付きそれに立ち向かう…

有毒廃棄物の不法投棄の調査のため、身分を隠して田舎町に潜入するセガールは、よそ者を嫌う住民から嫌がらせを受けるのです。
ボランティアで家を修理する名目で住民に聞き込みを始めるセガールに、町を牛耳る男たちが因縁をつけてきます。
それにしてもセガールの服装は閉鎖的な田舎町に溶け込む気ゼロですね。

声を掛けずらいことこの上ありません。
アメリカの田舎町に住む人々というのは、貧富の差からか都会から来た者を毛嫌いする傾向にあるようですね。
田舎町で浮きまくるセガールを当然町のチンピラが放っておくわけはなく、敵対心をむき出しにしてくるのですが、セガールは今回も持ち前の父性をいかんなく発揮し、町のならず者に教育的指導を施すのです。

町の有力者オーリンと裏で手を組む保安官に逮捕されそうになると、「俺が一声かければこの街に３００人ものFBI捜査官が駆け込んでくるぞ!!」と啖呵を切ります。
ただの風来坊かと思っていたら実は巨大な組織をバックに持つ調査員だった…　警官はそそくさと退散するのです。
この展開はまるで「水戸黄門」ですね。
悪徳企業のボス、オーリンはまさに悪代官、絵にかいたような悪役でセガールの鉄拳を受けるにふさわしいですね。
最後はセガールの奔走で見事オーリンの悪事を暴き刑務所送りにするのです。

セガールは過去の事件を理由に町で孤立するサラと心を寄せ合せあいます。
今回のセガールは純愛モード、いきなり関係を持つのではなく少しずつ距離を縮めていくのですが、沈黙シリーズの中で一番女性へのアプローチが紳士的と言えますね。妹に異常な執着を見せるサラの兄アルはこの映画の中で際立った気持ち悪さを見せていました。
セガールは兄を異常に恐れるサラの態度と過去の事件から、二人の間に何が起こったかを推理しアルを断罪するのです。
聞くもおぞましい過去ですね。

別れ際サラが「田舎でのバカンスはおしまい。あなたは帰って来ないわ…」
が、セガールは事件を片付けた後約束通り彼女の所に戻ってくるのです。この辺はもう大人のファンタジーですね。
それにしてもこの二人はまるで高倉健と倍賞千恵子のような渋みがありますね。
私はなぜかこの二人に山田洋次監督の「遥かなる山の呼び声」の世界観を感じてしまいました。

最終的にセガールは銃撃戦でタンクに穴を開け汚染物質を大地にまき散らし、古い炭鉱を爆破、あらゆる環境破壊を尽くしたあと環境保護庁へと帰って行くのです。

セガールの吹き替えはもちろん大塚明夫なのですが、沈黙シリーズの後半あたりから肩の力が完全に抜け、もはやセガールと一体化、憑依しているとも言える見事なシンクロニシティを見せていますね。この「沈黙の断崖」などはもはや、大塚明夫の吹き替えがセガールを追い越し、セガールが大塚明夫の吹き替えをしているかのような錯覚にすら陥るのです。

この映画のオーリン役をなんと大塚明夫の父、大塚周夫が演じているのですね。親子２代で声優なんて美声は遺伝するものなのですね。

今日も無事に家に帰って午後ローを見れていることに感謝😌です。

総合評価★★★★★
ストーリー　　★★
午後ロー親和性★★★★★
流し見許容度　★★★★★
セガール度　　★★★★★
関連ブログ　沈黙の要塞　沈黙の聖戦　沈黙の陰謀　雷神-Raijin- 撃鉄GEKITETℤワルシャワの標的　 DENGEKI電撃　刑事ニコ/法の死角　沈黙の戦艦　暴走特急