ダイヤルМ
午後のロードショー大好きなパート主婦です。
今回は午後ロー12月6日放送ダイヤルМの感想です。
公開 1998年
監督 アンドリュー・デイヴィス
公開当時 マイケル・ダグラス(54歳) グウィネス・パルトロウ(26歳) ヴィゴ・モーテンセン(40歳)
マイケル・ダグラスは「氷の微笑」「ゲーム」など、午後ローにおけるサスペンスの帝王と言えるかもしれません。
仮に彼がほんわかしたユルいコメディに出演したとしても、眉間に深く刻まれたシワ、鋭い眼光、ピリついた緊張感のある雰囲気で、絶対裏に何かあると思ってしまいます。
この映画は午後ローで何度も見てすっかりオチもわかっていますが、緊張感のある上質なサスペンスゆえ飽きずに見る事ができます。
原題は「A PERFECT MURDER」で、本作は1954年ヒッチコック監督の「ダイヤルМを廻せ!」のリメイクなのですね。
事業に失敗し破産寸前のスティーブンは、妻エミリーの保険金殺人を計画し、犯罪歴を隠しエミリーと不倫しているデイヴィットに彼女の殺害を依頼する…
「あの人は怖い人よ…」
スティーブンを恐れるエミリーなのですが、彼らは二人の実年齢と同じくかなり年の離れた夫婦に見えます。
エミリーは婚前契約もせずスティーブンを信用して結婚したようなのですが彼女ほどの大金持ちの若い美人が、なぜ資産も無い20歳近く年上の男と結婚したのか甚だ疑問です。
二人の馴れ初めはなんだったのでしょうか。
スティーブンの態度から察するに、熱愛の末結婚したものの、ジェネレーションギャップからすれ違いが生まれ、若い男と不倫をしてしまうエミリーに対し「可愛さ余って憎さ百倍」といった所でしょうか。
自らの事業の失敗より、エミリーの裏切りに対する怒りの方が上回っている感があります。
スティーブンはエミリーの不倫相手デイヴィットに、50万ドルと引き換えにエミリーを殺害するよう依頼する。
危険を承知でデイヴィットに依頼したのは、エミリーへの復讐心からでしょうね。
ヴィゴ・モーテンセン演じるデイヴィットは根性の腐ったチンピラらしく、憎らしいほど小賢いのです。
スティーブンは殺人の依頼をする時の会話を録音されゆすられたりと何かと詰めが甘く、デイヴィットに踊らされている感がありますね。
「不倫相手の若い男」役のヴィゴ・モーテンセンは30歳そこそこくらいかと思いきや、当時40歳なのですね。
ギラっとした爬虫類を思わせる目といい、女をたぶらかすクズ男役がぴったりハマっています。
エミリーを殺し損ないデイヴィットの策略にハマって追い詰められたスティーブンは、更なる凶行に踏み出す…
主演3人の個性と華やかさと、リメイクとはいえ練りこまれたストーリーで、サスペンスとしては中々の秀作と言えます。
借金返済のために妻を殺害しようとするスティーブン、前科のあるデイヴィット、不倫妻エミリー、平たく言えば登場人物全員クズで、誰が勝ってもモヤモヤしたものが残る作品です。
当時のグウィネスは金髪のショートヘアがキュートで透明感があり美しいですね。
彼女は「リプリー」や「大いなる遺産」など、男性から見たら完璧な高嶺の花の女性を演じる事が多い印象でした。
「愛さえも殺しの道具」が本作のキャッチコピーなのですね。
ニューヨークのど真ん中にあるスティーブンとエミリーが住むアパートの豪華な事…
高級ホテルのようにラグジュアリーで都会的、エミリーが広い浴槽にキャンドルを灯して入浴する様子には憧れたものです。
スティーブンからすれば一度この生活を手に入れたら、庶民の生活に戻るのは難しいでしょうね。
エミリーは「街を丸ごと買えるほどの財産」を持つ資産家の娘であり、国連で通訳を務めるほどの才媛なのですが、旦那に殺されかけ不倫相手は前科持ちのクズ男なのです。
人もうらやむ境遇のエミリーなのですが、唯一「男運」だけは悪かった、という事でしょうか。
今日も無事に家に帰って午後ローを見れていることに感謝😌です。
総合評価☆☆☆☆☆
ストーリー★★★★
流し見許容度★
午後ロー親和性★★★★★
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