公開 1967年
監督 ルイス・ギルバート
公開当時 ショーン・コネリー(37歳) 浜美枝(24歳) 若林映子(28歳)
上映時間 117分
007シリーズの中でというより、映画史的に見ても屈指の珍作といえるのではないでしょうか。
原作者のイアン・フレミングは大の日本好きだったそうで、日本文化に対する愛と誤解が炸裂しています。
「10秒に1回ツッコミどころがある」と言っても過言ではなく、間違い探しをするような視点でみると楽しめるかもしれません。

オープニングは火山からほとばしる溶岩をバックに、和傘をイメージしたようなモチーフと共に、芸者のような日本髪の女性が、何故か裸で祈りを捧げるように両手を合わせお辞儀をするシルエット。
冒頭から複数の間違いが発生していることが確認できます。
謎の飛行物体が日本から飛び立っているという情報を受け、調査のためMI6はジェームス・ボンドを日本に派遣する。
日本の秘密情報部との合言葉はアイ・ラブ・ユー。
「あなたが絶対に忘れない言葉よ。復唱して。テストしてあげるわ」
「うんざりだね。言い飽きたよ」
ボンドは潜水服を着て、潜水艦から泳いで日本の浜辺に文字通り「上陸」する。

日本についてボンドが最初に向かったのは国技館。
升席で相撲を観戦するボンドに、女性が近づいてくる。
「アイ・ラブ・ユー」
彼女は日本での諜報活動の連絡係、アキだった。

「いらっしゃい。日本にようこそボンド君!」
ボンドを待っていたのは、日本の公安トップ、タイガー田中。
「あまりにも簡単に誘いに乗ったので少々がっかりしたよ。母はいつも私にこう言っていたものだ。”見知らぬ女性の車には絶対乗るな”…」
兵庫県に事件と関連のある日本企業の貨物船が停留しているとの情報が。
その名も「ニンポー丸」
貨物船の傍には、小型船に乗っている複数の女性。
「あれは海女だ。”ダイビング・ガール”さ」
英語にすると、随分ニュアンスが変わるものですね。
ちなみに海女の役で、デビュー当時の松岡きっこが出演しているそうです。

「ゆっくりくつろいで、日本の文化を楽しんでくれ…」
ボンドを浴室に案内する田中。すると何故か、水着姿の日本人女性らが待機している。
「どの女性を選ぶかね? ボンド君」
ボンドは女性に体を洗ってもらいながら、
「良い風習だ…」
特にこのシーンは日本文化に対する誤解が極まっており、江戸時代の湯女の文化が現代でも通常運転で行われていると勘違いしたのかもしれません。
コンプライアンスの問題か、今回このシーンはカットされていました。
丹波哲郎は同時期にTVドラマ「Gメン´75」などに出演していたせいか、ハードボイルドなキャラクターがハマっており、鋭い眼光といい、ある意味ショーン・コネリーを喰うほどの存在感があります。
丹波哲郎は本作以前にもハリウッド映画出演の経験があり英語は堪能だったものの、発音がいまひとつだったため、オリジナルでは英国人俳優が吹き替えをしているそうですが、日本語版は丹波哲郎自身が吹き替えを行っています。

「”ネリー”を呼んでくれ、できれば父親同伴で」
ボンドは諜報活動のため、MI6からメカニック担当の「Q」を償還する。
組み立て式の小型飛行機ネリーは、当時としては画期的で最高峰のメカニックだったのでしょうが、今見ると「鳥人間コンテスト」レベルでなんともショボく頼りないのです。
「可愛い女の子だよ。小さくてすばしこくて、まるで日本の女性さ」
ミサイル搭載の小型飛行機ネリーに乗り込み、敵を殲滅する。

ボンドは敵を欺くため君は日本人に変身し、隠れ蓑代わりに日本人の女性と偽装結婚することに。
「君は明日猟師として、島の海女と結婚する。相手は見てのお楽しみだ…」
ボンドは「島の漁師 太郎」に扮し、日本人の海女キッシー鈴木と偽装結婚する。
キッシー鈴木を演じた浜美枝は申し分なく美しいものの、「島の海女のキッシー鈴木」の設定など、このあたりから突っ込み始めるとキリが無い荒唐無稽さに拍車がかかります。
ボンドは太郎と名乗り、何食わぬ顔で日本の漁師を装っているのですが、あの濃い顔とガタイで日本人に扮するなどかなり無理筋な設定と言えます。

ボンドの宿敵であり、前作まで猫を撫でる手しか映らなかったプロフェルドが本作で初めて姿を見せます。
「遅ればせながら自己紹介しよう。私はドクター・プロフェルドだ。お前を消す方法はあとでゆっくり考えるとしよう…」

タイガー田中率いる特殊部隊は、姫路城の地下で空手、剣術、柔術などの訓練を行っていた。
プロフェルドの秘密基地に、タイガー田中率いる忍者軍団がなだれ込む。
彼らは実戦の時にはなぜか、忍者の格好をしているのです。
タイガー田中との共闘で、プロフェルドの秘密基地を制圧したボンド。
ラストはゴムボートの上で
「さて、ハネムーンの続きはどう?」
キッシー鈴木とのキスシーンでエンディング。

本作では若林映子と浜美枝の二人の日本人ボンドガールが出演ししています。
猫顔で小悪魔的な若林と、ファニーフェイスでキュートな浜のコントラストも良く、本作で見所はこの二人だけといっても過言ではありません。
浜美枝は出演シーンのほとんどが白のビキニ姿で、終盤に銃を持って戦うシーンもあるものの、ほとんど映画に華を添えるだけのお色気要員と言えます。
彼女の「白ビキニ登山」も見所の一つですね。

荒唐無稽な珍作ながら、ショーン・コネリー演じるボンドのクオリティにブレは無く、出会った女性を瞬時に虜にする魅力に溢れています。
ただ、スモウ、ゲイシャ、ニンジャ、スシと、海外の人が考える日本文化を詰め込んだような内容で、この舞台背景が007本人より際立ってしまっている感があります。
007×エキゾチックジャパン+日本人ボンドガール=「映画史に残る珍作」という結果になってしまいましたね。
今日も無事に家に帰って午後ローを見れている事に感謝😌です。
総合評価☆☆☆☆☆
ストーリー ★
流し見許容度 ★★★★★
午後ロー親和性★★★★★


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