公開 2016年
監督 エラン・クリーヴィー
上映時間 99分
公開当時 ニコラス・ホルト(27歳) アンソニー・ホプキンス(79歳) ベン・キングスレー(73歳)
ある男が愛する女性のため大勝負に挑み、「運良く」乗り捨ててあった高級スポーツカーを次々と乗り換えマフィアの追手から逃げるB級カーアクション映画です。
メルセデス・ベンツ、アストンマーティン、ジャガーが爆速でドイツの高速道路「アウト・バーン」を疾走するシーンはさながら高級車のCМのようで、ショボい内容ながら車好きの人ならそこそこ楽しめるのではないでしょうか。
本作にはアンソニー・ホプキンズとベン・キングスレーの二人の名優が出演しており、彼らが丁々発止とやり合う「レクター博士」VS「ガンジー」のレジェンド対決も見所です。

「人がバカなことをしでかすのはそれなりの理由がある。でも愛が理由ならそう馬鹿でも無いかも… みんな愛を信じてるし、それが地球を廻してる…」
映画の冒頭、クラッシュし上下逆さになった車。
ストーリーはそこから数日前に遡る。
自動車泥棒を生業とするケイシーは、クラブで偶然出会ったジュリエットと恋に落ち、犯罪から足を洗う決心をする。
が、ジュリエットは難病に侵されており、彼女の手術費用のため、ケイシーはマフィアのボスから一度限りの大仕事を請け負う。

ケイシーは麻薬密売人ゲランの元へ赴く。
ベン・キングスレー演じるゲランはトレーラーハウスで娼婦を侍らせ「競走馬と娼婦の違いがわかるか? 俺も知らん」と四六時中キマってるイカれてぶっ飛んだオヤジなのです。
ゲランはケイシーに、チリから密輸した麻薬を運ぶトラックを強奪する仕事を振ってくる。
「報酬は25万ユーロ。さあどっちか答えろ。 お前は競走馬か? それとも娼婦か?」
ジュリエットの手術費を工面するため、ケイシーは仕事を請け負う決心をする。

トラック強奪に失敗し、ハーゲン・カールに捕らえられたケイシー。
「誰だね? 君をこんな愚かな茶番に引き込んだコメディアンは…?」
ケイシーは尋問しようとする手下を振り切り車で逃走する。
そこから先は、ケイシーがひたすら追ってから逃れるため、ハイウェイ、田園地帯、狭い町の路地を高級車で走り抜ける構成になります。
ケイシーの逃亡劇はスリリングでスピーディながら、いつもすんでの所で運良く逃れる作り手のご都合主義な展開が目立ちます。
ハイウェイで車がクラッシュし、7~8回転したあと逆さの状態になったにも関わらず、車から傷一つ無く這い出し、その後普通に歩いて何事も無かったように車を運転するなど、リアリティという面では完全に破綻しており、真面目に視聴する気力を萎えさせます。

概ねご都合主義で際立ったところの無い本作ですが、アンソニー・ホプキンスとベン・キングスレーの名優対決のシーンは見所があり、彼らの存在感は完全に主演のニコラス・ホルトを喰ってしまっています。
「ジョジョ」のスタンドのように、レクター博士とガンジーのキャラを背後に背負った彼らの息詰まる舌戦は緊張感があります。
「俺が望んでいるのは対等の関係だ。 裏切ったことは一度も無いのに、儲けの大半はあんただ…」
「今の立場で満足しておけ。君の人間性を考えると、君の人格や品位の問題だが、君は私とは決して対等になれん…」
表向き実業家のカールは、みるからに胡散臭いゲランを下に見て小馬鹿にしているようですが、所詮は二人ともヤクの売人、「目くそ鼻くそを笑う」といったところでしょうか。
アンソニー・ホプキンスはレクター博士の二番煎じの手馴れた演技と言う印象であるのに対し、ベン・キングスレーのイカれたオヤジは味のある憎めないキャラで、演技の振り幅の点では彼の勝利と言えます。

フェリシティ・ジョーンズ演じるジュリエットは、小柄で華奢で可愛くて儚げ、さらに少し小悪魔的でもあり、ケイシーが命をかけて救おうとするのも納得できる魅力があります。
男性はこの手の女性のためなら、身の丈に合わない大勝負をしがちなので注意が必要ですね。
腎不全で透析をしている設定にも関わらず、ケイシーと共に全力疾走で逃亡するなど、とても病人には見えませんが、リアリティをあえて無視した作品であるため、重箱の隅をつつくのは野暮というものですね。

ニコラス・ホルトが昔大好きで何度も見ていた映画「アバウト・ア・ボーイ」の子役だと知って驚いてしまいました。
青い瞳は吸い込まれそうになほど美しく、人気ブランド トム・フォードのイメージモデルを務めるほどの超絶イケメンに成長しましたね。
近年では「マッドマックス 怒りのデスロード」のウォーボーイや「ザ・メニュー」などに次々と出演し、ルックスだけでは無いクセのある演技派と言えます。
彼が傷だらけで高級車を運転する姿は眼福ですが、ありがちなB級映画で心に刺さるものは何もありません。
イケメン俳優+高級車+レジェンド俳優×2で、手堅い興収を狙いに来たマーケティング映画ですね。
今日も無事に家に帰って午後ローを見れている事に感謝😌です。
総合評価☆☆☆☆☆
ストーリー ★★
流し見許容度 ★★★★
午後ロー親和性★★★★★


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