サウンド・オブ・サンダー

SFサスペンス

公開 2005年
監督 ピーター・ハイアムズ
公開当時 エドワード・バーンズ(37歳)
上映時間 102分

レイ・ブラッドベリの短編SF「雷のような音」を元に映画化された作品で、タイムマシンで恐竜の世界に行った人間が「1.3gの何か」を現代に持ち帰ってしまった事でじわじわと生態系が狂い、世界が亜熱帯の地獄と化す様が描かれています。

VFXで映像革命をもたらした1993年「ジュラシック・パーク」から12年後の2005年公開作品にも関わらず、制作会社の倒産など紆余曲折の末予算が不足し、特殊効果が合成丸出しのチープなものになってしまい、その結果B級感満載の仕上がりになった感があります。

ただ、進化の歪みから誕生したクリーチャーの造形はトラウマ級に恐ろしく、これだけでも一見の価値はある作品です。

西暦2055年、科学技術の発展により人類はタイムトラベルの実現に成功する。

旅行代理店TIME SAFARI社は、独自に開発したタイムマシン『TAMI』を使って、白亜紀に赴きその時代の恐竜を狩るという「ハンティング・ツアーサービス」を企画し、富裕層の間で人気を博していた…

「ルール1 何も触ってはいけない。ルール2 何も持ち帰ってはいけない。 ルール3 通路からは絶対に離れてはいけない…」  

過去のどんな些細な変化も、生物の生態系を狂わせ、未来に重大な影響を与える。
「TAMI」の開発者ソニアは
「金持ち相手の狩猟のために、TAMIを開発したんじゃないわ」と科学者としてSAFARI社に抗議していた。

トラヴィスら添乗グループは、顧客がミスを犯さないよう、ツアーに添乗していた。
しかし、ある日のツアーの最中にトラブルが起き、眼前で暴れまわる恐竜を前に旅行者がパニックに陥るという事態が起きる。

何とか無事に帰還できたものの、グループの総質量は出発時より「1.3g」増えている事が確認された。

その日の夜を境に異変が起きる。

シカゴの気温は11月にも関わらず30度を超え、湿度は98%の亜熱帯となる。
つる性の植物がコンクリートの合間から這いだし建物を破壊、昆虫が大量発生し人々を襲う。

「”時間の津波“よ。波紋の輪が広がるように6500万年分の変化の波が現代に一気に押し寄せる… 恐竜狩りのツケだわ」

時間の津波はまず植物 次に動物 最後に人間を変化させる。

現代に持ち込まれた「1.3g」の正体を突き止めるため、トラヴィスらは探索のため街へと出る。
が、街はすでに歪な進化を遂げたクリーチャーに占拠されていた。

マントヒヒの顔と巨大なトカゲが合体したような恐ろしい凶暴な生物。
生態系の変化により、爬虫類と哺乳類が分岐せず交わり、恐ろしい生物へと進化していた。

その他、スーパーマーケットの天井にびっしりとぶら下がっている、マントヒヒとコウモリが合体したような生物など、一度見たら忘れられない不気味なクリーチャーが多数登場し、本作の一番の見所と言えます。

トラヴィスらは、過去の白亜紀でツアー客が靴底に小さな「太古の蝶」の死骸を踏みつけて現代に持ち帰ってしまっていたことを突き止める。

人類を救うための唯一の方法は、タイムマシンで再び過去の白亜紀へ飛び、過去を修正すること。

彼らは人類を時間の津波から救う事ができるのか…

子供の頃、父親の本棚にあったレイブ・ラッドベリの短編集「ウは宇宙船のウ」を読み、壮大で神秘的なSFの世界にどぷりハマってしまったのを覚えています。

「雷のような音」はその中の一篇で、「世にも奇妙な物語」を彷彿とさせる余韻のある終わりかたは、子供ながらに背筋がゾワゾワするほど怖かったものです。

我々は太古の中にいた。往古の塩辛い海と、湿った土と、血の色をした花の匂い
白亜紀の空気を肌で感じるような描写に、
その鎧に包まれ粘液に覆われた体から湯気が上がっていた。そいつが息を吐くと、生肉のような悪臭が荒野に吹きわたった
ティラノサウルスの描写が延々と続き、まさに恐竜を目の前にしているような生々しさと臨場感がありました。

原作を読みながら脳内で再生された映像は映画を遥かに超えるもので、それがなおさら本作をショボく見せていたのかもしれません。

まさに読書こそは最高の没入体験、どんな映像も脳内のイメージには敵いませんね。

原作では「時間の津波」のような劇的な変化は起こらないものの、「TIME SAFARI」社の綴りが「SAFFARI」になっていたり、独裁者が大統領のになっていたりと、地味ながら背筋が寒くなるような歴史の改変が行われています。

本作はテカテカCGの恐竜や、2055年の未来都市のチープさなど、予算の問題さえなければSF映画としてそこそこの秀作に位置づけられていたかもしれません。

時間の津波の最終段階では人間が歪な進化を遂げ、半魚人のような姿になっている描写があります。

ちょっとした進化のズレで、人間が魚のようにエラ呼吸ができ水陸両生類になっていたり、翼が生えて鳥のように空を飛んでいたかもしれないなどと、想像力が広がってしまいました。

今日も無事に家に帰って午後ローを見れている事に感謝😌です。

総合評価☆☆☆☆☆
ストーリー  ★★★
流し見許容度 ★
午後ロー親和性★★★★★

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