オーバー・ザ・トップ
午後のロードショー大好きなパート主婦です。
今回は午後ロー11月2日放送オーバー・ザ・トップの感想です。
公開 1987年
監督 メナハム・ゴーラン
公開当時 シルヴェスター・スタローン(41歳) デヴィット・メンデンホール(16歳)
私が高校生の時、この映画の影響か校内で腕相撲が大流行し、前腕尺骨を骨折した同級生がいたほどでした。
当時大ヒット作でしたが今改めて見ると、親子愛の名のもと脳筋ダメおやじに人生を狂わされる息子を描いたロードムービーですね。
私は映画館に二度見に行きましたが、当時はSNSなどでの情報も無くメディアの宣伝や持ち上げにまんまと乗っかってしまった感があります。
妻子を捨てトラック運転手として生きるリンカーン・ホークは、病気の妻に会うため10年ぶりに再会した息子マイケルと旅にでる。
ホークはアームレスリングを通して親子の絆を取り戻そうとする…
陸軍幼年学校の卒業式を迎えたマイケルの元に、10年前母と自分の元から去った父親ホークが現れる。
二人はホークの運転する大型トラックで、母の入院するカリフォルニアの病院に向かうことになる。
「あの子には、父親が必要なの…」
母親も罪なことをしますね。
旅の途中で訪れたドライブインで、ホークはアームレスリングの賭け試合を持ち掛けられる。
ホークはアームレスリングの賭け試合で稼ぐレスラーだった。
祖父の元、上流階級でエリートコースを進んでいたマイケルは、ホークの出現により思わぬ人生の軌道修正を余儀なくされるのです。
「中二病」という言葉があるように、少年はワイルドな大人の世界に憧れる傾向があり、マイケルはアームレスリングの賭け試合をしながらその日暮らしをするホークを「男らしい」と勘違いしてしまったようです。
旅を通して、互いを理解していく二人。
ようやくカリフォルニアの病院にたどり着くも、母親はすでに亡くなっていた。
「父さんのせいだ! 父さんが迎えに来なかったら間に合っていたのに!」
母親の死に目に会えないなんて…
本当にダメおやじはロクなことをしません。
腹を立てたマイケルはホークの元を離れ、祖父の屋敷に帰る。
祖父の家にマイケルを連れ戻しにやってきたホークは、事もあろうに屋敷の門をトラックで破壊し庭に侵入するのです。
本当に「ヤバい奴」ですね。
母親と別れた理由を祖父に「引き裂かれた」と語っていますが、愛する娘の相手がトラック運転手兼その日暮らしの賭けアームレスラーなんて、そりゃ反対したくもなりますよね。
逮捕されたホークは、告訴の取り下げと引き換えに、マイケルの親権を手放す事を受け入れる。
マイケルに別れを告げたホークは、かねてから出場を考えていたラスベガスのアームレスリング選手権大会への出場を決意。
優勝賞品は大金と新品の大型トラック。
これでマイケルを取り戻せるかもしれない…
ここから先の展開はまさにアームレスリング版「ロッキー」で、ホークは体格差がある超大型レスラーと苦戦しながらも勝ち進み、決勝戦を迎えるのです。
ドキュメンタリー形式のレスラーの試合直前インタビューも今見ると笑えます。
「俺は相手の腕をへし折るのが好きなんだ」
「2位なんてクソだ!俺には1位しかない!」
「俺の体はマシンで、この腕はトリガーだ!」
語ること 語ること…
選手は「くんぬううううう…!!」「ぬおおおおおつつつ…!!」と凄まじい形相で、試合は腕相撲というよりは顔相撲の様相を呈しています。
試合会場に駆けつけたマイケルは「父さん! がんばれ! オーバー・ザ・トップだ!」
試合の中盤で相手の親指を上から抑え込む技は、ホークだけに許された秘技なのでしょうか。
これを仕掛けられた対戦相手は必ず「ぬうつつつ…!? そう来たか…!!」といった具合におおいにたじろぎ目を丸くするのです。
高校の同級生が「親指を丸め込まれると、力が入らなくなる」と言っていたのを覚えています。
ホークは苦しみながらも見事優勝を手にする。
左腕に優勝カップ、右肩にはマイケル、それを感慨深い眼差しで見つめる祖父の姿…
ホークとマイケルは商品の新しいトラックに乗り込み、一緒に運送会社を立ち上げる事を夢見ながら新しい人生に向かって走り出す。
めでたしめでたし…
腕力がすべての脳筋至上主義へと息子を引きずり込む父親。
人生のエリートコースが約束されていたであろうマイケルは、この父親と出会ってしまった事により、トラックで全米を旅しながら時折アームレスリングで小銭を稼ぐ刹那的な人生を送ることになるのでしょうか。
スタローンはこの頃「ランボー」「コブラ」などの主演作が次々と大ヒットを飛ばし、俳優としての黄金期といえますね。
息子役のデヴィット・メンデンホールは、スタローン自らオーディションを行い千人近い子役の中から選出したそうです。
サミー・ヘイガーの歌う主題歌の「オーバー・ザ・トップ」も大ヒットし、当時町中の至る所で流れていたのを思い出します。
親子愛とスポコンを絡めた単純明快なストーリーで、テンポも良く、感動のレールに乗せられラストまで持っていかれるあざとさがありますね。
アームレスリングはボクシングやプロレスと違い、試合が早く勝敗がわかりやすいため、賭けをするには調度良いゲームかもしれません。
ただ力の入れ具合を調節しやすいため、八百長もし放題でしょうね。
たかが腕相撲されど腕相撲、近い将来アームレスリングがオリンピック種目になる日は来るのでしょうか。
今日も無事に家に帰って午後ローを見れていることに感謝😌です。
総合評価☆☆☆☆☆
ストーリー★★★
流し見許容度★★★★★
午後ロー親和性★★★★★
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