ヤクザと家族
午後のロードショー大好きなパート主婦です。
今回は午後ローではありませんが今年見た映画ヤクザと家族の感想です。
Yahoo!映画より引用
私は映画の予告編を見るとその映画が面白いかつまらないか大体わかってしまうのですが、この映画は予告編を見て絶対に映画館に見に行こうと直感的に思ってしまいました。
藤井道人監督作品を初めて見たのですが、久しぶりに大人の鑑賞に足る日本映画だなと思います。
近年韓国映画がハリウッドをも凌ぐ勢いで台頭していますが、現在日本人監督で韓国映画と勝負できる監督は彼だけではないでしょうか。
バイオレンス描写や暗く艶のある映像、登場人物の心理描写など１３６分の長編にもかかわらず緊張感が途切れず最後まで釘付けで見てしまいました。
映画は綾野剛演じる賢治が刑務所に入るまでと出所した後の二部構成になっており、前半の賢治が柴咲組に入りヤクザとして生きる若頭時代と出所してからの柴咲組の衰退に戸惑いながら新しい生き方を探す哀感漂う後半からなる約２０年のヤクザをとりまく社会の変化を描いています。
オープニングの綾野剛が舘ひろしと親子の盃を交わす儀式のシーンは岩代太郎の素晴らしい音楽との相乗効果で自分でも意外なほど心を揺さぶられてしましました。
主人公の賢治がたったひとつの体と魂を組に捧げる一途さがとても不憫で、まるで意地悪く捻じ曲げられた結婚式を見るような思いでした。
賢治が組に入ることになったきっかけも無理なく描かれていると思います。
BANGER!!!より引用
FILMAGAより引用
綾野剛が１０代から３０代までを演じていますがアクションシーンもほぼスタント無く演じたという彼の身体能力もさることながら、１０代を演じてもまったく違和感が無いのは彼の透明感と澄んだ目ゆえではないでしょうか。
彼の歩く後ろ姿を追うシーンが何度かありますが、背中だけでこれだけ語れる役者はいないでしょうね。
翼を演じた磯村勇斗も全身からみなぎる殺気と圧倒的な存在感で映画の後半を盛り上げていますね。彼の存在はそれまであまり知らなかったのですが、映画を見終わってすぐにネットで調べてしまったほど印象に残りました。
FILMAGAより引用
対抗する侠葉会の若頭役を演じた駿河太郎は二世タレントで好青年の無難な役をこなしているイメージがあったのですが、いつのまにかに実力派の役者になっていたのですね。
出演した役者全員のこの映画に対する特別な思いが感じられます。
見終わった後、父の大好きだった時代劇「鬼平犯科帳」の中の「人がわき道にそれるのはそれなりのわけがあってのことよ…」という鬼平のセリフをふと思い出してしましました。
この映画を見た後「新聞記者」を見ましたが、全編を貫く緊張感や登場人物の心理描写はやはりさすがと言えますね。
現在ドラマ「アバランチ」が放送されていますが、監督 役者陣をはじめまさにこの「ヤクザと家族」ファミリーが出演していて嬉しくなります。
突然ですが私は「愛の不時着」を日本でリメイクするならヒョン・ビンの役は綾野剛しかいないと勝手に思っているのです。長身、端正な顔、誠実そうな性格、おまけに独身という条件がそろっている実力派俳優は彼以外にいるでしょうか。ソン・イエジンの役は考え中なのですが私が立候補しちゃおうかしら…と妄想に浸る毎日です😆
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